まりぃくりすてぃ

13回の新月のある年にのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)
4.0
桃を扱うように大切にしてあげたいのに、こういう主人公は。でもね、苦悩は誰にだってある。負けずに進むか・降りるかしかないのよ、わたしたちは。。。
てわけで、他人の不幸は蜜の味。ただし、その蜜がまぎれもなくエルヴィン(女性名エルヴィラ)の人肉から絞り出されたものだと想えば体液臭くてやりきれない。が、人と人とのベルゲンベルゼンだと想えばキチガイ感がやっぱりご馳走。つまり“最高級の合言葉”以降に助けられ、しかし終始ちりばめられるインタビューなのか問わず語りなのか知りえないモノローグ(まるで無旋律ミュージカル、、、少なくとも非ストレートプレイ的)にはさほど助けられず、ともかくも意外にわかりよい映画かな。もっと華やかにしてもよかったけど暗さは暗さでまあOK。テニス男に70年代の西ドイツ臭(たぶん)が史料として込められてるっぽいのは興味深いかも。
肉牛屠殺の画に集中したいのに字幕読みで忙しく、ドイツ語聴き取れる耳が欲しかったな。
ハッピーエンドには程遠い主人公の行き着いた先が解脱エンドのニルヴァーナエンドであれかし。(合掌)