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動くな、死ね、甦れ!の10000lyfhのレビュー・感想・評価

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)
3.5
第二次大戦後ソ連極東版「大人は判ってくれない」(だが、列車転覆から宝石強殺まで、反抗の延長がやり過ぎで共感は無理)。たまに出てくる神がかり的に美しい映像(ポスターにもなっているクライマックスの線路に佇むワレルカとガーリヤを筆頭に、母と帰宅する霧の沼沢地、「市民ケーン」風に開け放したドアの向こうを全力疾走で遠ざかるワレルカ、ワレルカとガーリヤが窃盗団から逃げる海の中道、等々)と、荒削りなところ(脚本面で、話が急に飛んだり(列車転覆後の逃亡シーンでワレルカが既に列車に乗っていたり、全裸で宝石店に忍び込んだワレルカがいつの間にか着服していたり)、録音面で、監督らの指示出しの声(特にエンディングの「カメラはあの女を追え!」が印象的)や笑い声が聞こえちゃったり)のブレンドが、詩的リアリズム(ルノワール風の乱闘あり)やネオレアリズモを継承しつつ、独特の「美とリアリティの共存」を創出。劇伴はほとんどないが、列車逃亡シーンで挿入された弦楽器の特殊奏法は効果的
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