久しぶりに再鑑賞。
夫婦の倦怠期を乗り越えようとする地味な中年主婦が、老人ホームで出会った老女の昔話を聞いて、生き方を変えていくヒューマンドラマ。
現代に生きる主婦エヴリンの物語と、老女が語る二人の女性、イジーとルースの物語を切り離すと、2本の映画が出来上がるんじゃないかと思うくらい、過去も現代もストーリーが良かった。
初めて観た時はメアリー・スチュアート・マスターソン目当てだった。
「恋しくて」で演じたボーイッシュな彼女が凄く良くて、他の作品を探したのがきっかけだった。
改めて今観ると、忘れていた場面がかなりあった。老女ニニーが語る昔話は、とにかくロケーションの美しさに感動した。
散歩する川、流れ落ちる水のカーテン、線路に転がる帽子、夜の川辺など、綺麗な景色の中で悲劇があった。
幼い頃から男勝りな性格だったイジーが成長すると、ジャングルの中でも逞しく生きるような女に見え、ルースはおしとやかなお嬢様に見えた。
貨物列車に飛び乗って、ミツバチから蜂蜜頂いて、夜はみんなで草野球。同じ時間を共有し、同じ事に共感するイジーとルース。二人で過ごす場面一つ一つが心に残る名場面だった。
暴力を振るう夫から離れ、強く生きる二人の間に友情を感じたが、ルースに対するイジーの心には「愛」を感じた。
ルースはイジーに感化されて強くなり、イジーはひそかにルースの事を愛していたと思う。
そして現代に生きるエヴリンは、イジーとルースに感化され生き方を変えた。くだらない講習なんていらない。小太りで地味だった自分を変えるんだ!
「トゥワンダ!」
自信と勇気を持った彼女の表情は清々しい。チョコバーやめてジムに通い、生まれ変わるんだ。
新世紀エヴリン減量!
「ミザリー」の翌年にキャシー・ベイツ演じるエヴリンがいう。
「私はもうホラー映画のデブじゃないわ」
この台詞に笑ったけど、事件の結末は衝撃的なホラーだった。