映画大好きザウルスくん

マン・オブ・スティールの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)
3.0
☆再鑑賞☆
DCEUシリーズ1作目!自分は『クリストファー・リーブ版』4部作を観て以降『リターンズ』を飛ばしてこの『DCEU』のスーパーマンを観た人間なので、冒頭のクリプトン星のCG映像のクオリティの高さに普通に感動しました。ただ最初の星の爆発、結果的に罪人のゾッド将軍達を救ってあげたみたいになっていたのは流石に笑えました…。

全体的には大方の意見と同じく「スーパーマンなのに何でこんなに暗いんだろう?」というのが正直なところです。リーブ版のスーパーマンが日本で例えるならアンパンマン並みの完全無欠のヒーローとして描かれていたことと比べると、同じキャラクターなのに随分落差がある。暗くするにしてももう少し明るくなれる場面も挟む必要があったはず。

アクションシーンが凄惨すぎる件については昔のスーパーマンは特撮のレベル的にあの規模の被害で抑えられていただけで、そりゃ宇宙人が地球を舞台にやりたい放題したら本作のように『マトリックス レボリューションズ』並の街破壊バトルになるよなぁ…とある種納得できました。これは単にスーパーマンをリアルに描く上でのどうしようもない壁に思えます。

スーパーマンに対して「お前が暴れまくったせいで何人も被害者が出とるやないか!」という意見もあるけど、だからと言ってスーパーマンが戦わなかったらもっとメチャクチャにされてた訳だし、ゾッド将軍が「人のいないとこでやろう」って声掛けられてちゃんと移動してくれるタイプにも見えないし、仕方がなかったと思う。まあ、開幕早々スーパーマン自ら敵を街の建物に叩き付けてるシーンとかは普通に配慮足りなすぎてドン引きしたけどね…あんたが率先してそれをやるのは違うだろ!

結局ゾッド以外の敵は案外アッサリと退場するし、最後のスーパーマンとゾッド将軍によるどのくらい移動して何をやってるのかあまり伝わってこないタイマンは、どっちがどのくらい強いのかパワーバランスの分からない結末を迎えるし、何だか全体的に消化不良ぎみ。あれってスーパーマンは本気出せばもっと早くゾッド将軍を殺せたけど、最後まで死なないように手加減しながら戦ってたってこと?一応最後のクリプトン人仲間だから手を下しづらかった的な?最後の最後はやむを得ず、みたいな?意味わからないッス…。

最終的に思うのはこの話ってスーパーマンの実父のラッセル・クロウが全部悪くね?ってこと。地球を丸ごとクリプトン星に変えてやるって言うゾッド将軍も悪いけど、だからと言って地球人とクリプトン人で上手く共存すればいいっていう父親の考えも相当なエゴの押し付けじゃないか?結果的に地球を舞台にハチャメチャな戦闘が行われちゃった訳だし。

映像のクオリティは高いしスーパーマンのビジュアル自体はカッコいいし、何とかならなかったのかなぁ…とどうしても残念に思ってしまう作品です。