リッキー

ムーンライズ・キングダムのリッキーのレビュー・感想・評価

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
3.9
848本目。
この作品ではウェス・アンダーソン監督の独特な世界観に惚れ惚れする人もいれば,戸惑う人もいるかと思われます。
主人公のサムとスージーは孤独で純粋,感性が鋭い子供たちです。「小さな恋のメロディ」のように駆け落ちしますが,特に大きな出来事もなく淡々と話は進んでいきます。
物語自体は絵本のような非現実感がありますが,ラストは納得する内容なのでよいですね。

映像では色の使い方が秀逸です。心理的な色の見えに関係した現象は色の恒常現象、対比現象、同化効果、残像現象、面積効果などあるが,中差色相の配色を用いることにより極端な対比彩色を用いていないことから全体をほっこりとした雰囲気を作り出しているように思えます。

この作品の中で登場する小物の使い方にもこだわりがあります。子猫,双眼鏡,図書館から盗んだ本,レコードプレイヤー,パイプの煙など心理模様を表していますように思えます。

「ムーンライズキングダム」直訳だと「月の登る王国」でしょうか。サンライズならすごく自然なのですが,太陽と月の関係であれば「陽と陰」ということで現実とは別な世界を表現したかったのでしょうか。タイトル名が謎です。
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