このレビューはネタバレを含みます
クトゥルフ神話を下敷きにしたジャパニーズホラー。監督お得意のモキュメンタリー形式でありながら、リアリティとファンタジーのさじ加減が絶妙過ぎる。恐怖と笑いは紙一重であり、恐怖シーンの中にさりげなく笑えるやり取りを挟んでくるのが個人的にツボです。
ただ怖いシーンはしっかりと怖く、単純な動作だけでゾッとしてしまう。触手多めの造形もラブクラフトオマージュであろう。それ以外の見所はやはり怪異に関わる人物で、特に監督お得意の、底辺にいる狂気の人々の描写は非常にリアル。地に足のついた生々しい恐怖感がある。
前半はホラーだが、後半からは霊能力バトルアクションとでもいうべき作風にガラッと雰囲気が変わるため要注意。史上最強の霊能力者NEOを演じる三浦涼介はハマり過ぎてキャラが濃い。仮面ライダーのアンクが大好きな人にはオススメである。
ラストは肩透かしを食らうかもしれないが、クトゥルフ神話であることを踏まえれば納得のいく終わりかたであり、人知を超えたものどもの片鱗が見えることにより、現実の境目が曖昧になる趣深いラストに仕上がっている。