橘

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかの橘のレビュー・感想・評価

3.7
冷戦時代の映画だけれど、現代でも未だリアルに感じられて心が揺さぶられました。
「アメリカ空軍は絶対こんなことしません」みたいな宣言が始めにあるし、基地にある看板のスローガンは「Peace is our PROFESSION」だけれど、こんな空虚さってない。

突然狂気に陥ったリッパー准将が事の発端だけれど、タージドソン将軍も大概です。「核による先制攻撃の前には反撃されないように敵基地全て叩いておかねば!」ってどういう??
“皆殺し装置”が発動しないようにアメリカ大統領はソ連の首相と連絡取ってどうにか事態を収めようとしてるけどディミトリは酔っている。大変だ。

リッパー准将(そういえばこの人ジャック・リッパーって名前で、正気か?と思いました)付きのイギリス人マンドレーク大佐も大変過ぎました。
皆さまのレビューで知ったのですが、大統領、マンドレーク大佐、ドイツ人博士Dr.StrangeLove全て同じ俳優さんなのですね。全くわからなかった。


「これは戦争抑止に役立ちません」と断言する博士、癖強いけど格好良いと思っていました。
そしたらラストの演説…タイトルとは違ってまだ心配してるけど、心配しすぎて大統領にフューラーって呼びかけてしまってるし、右腕はなかなか言うことを聞かなくて勝手にナチス式敬礼をしてしまう。ブラックジョークに笑いました。
そんな右腕をボコボコ殴りながら演説し続ける博士の周りでは「笑ってはいけない」が始まってしまってて、観ているこちらは笑ってしまいましたが俳優さんたち大変だっただろうなと思いました。ロシア人大使の方はニヤニヤしていて危なかったよ。。
即興ぽかったので見入りました。


そして雪崩れ込むエンディング。
核爆発映像を背景に流れる『We'll meet again』。観ていて爆発時の光の強さに、本当に太陽が増えたように見えるんだな…とつくづく思いました。






Dr.StrangeLoveといえば長田進と根岸孝旨、と思ってしまうわたしは、Coccoが歌ってる版だけれど「Rainbow」を聴いたりしました。
去年Coccoのライブ行けたのは良い思い出です。オサダもネギもサポートしてた!また会いましょう〜
橘