deenity

二郎は鮨の夢を見るのdeenityのレビュー・感想・評価

二郎は鮨の夢を見る(2011年製作の映画)
3.5
ミシュラン三ツ星を獲得した「すきやばし次郎」の店主、小野二郎さん。寿司職人としてこだわりにこだわり抜いた生き様に迫ったドキュメンタリー映画です。

まず何が凄いってこの映画の撮影時が85歳。そして現在御年96歳。いまだ現役として寿司を握り続けているその生き様。もはや頭が下がります。
ただ、小野さんはそれをさも当たり前の日課として生活していて、常に板場につくのが当たり前であり、まるで機械人間かのように同じルーティンを繰り返す。

これぞ職人という生き様。一見それは時代遅れであり、古き良き時代の産物のようでもあり、しかしこれからその筋を志そうとしても決して届かないほどの高みに上り詰めた人間の姿でもある。
きっともうこんなご時世になった以上、もうこの人を超える人間なんて出てこないのでしょうね。少し時代の進歩を哀れんでしまうほどの地道に努力を重ねた過去が伝わってきて、シンプルを突き詰めるとここまで上り詰めることができるのだと感じさせます。まさに極みでした。

映画とはいえ基本的に淡々とインタビュー形式で展開されていきます。あまり見たことないですが、情熱大陸とかプロフェッショナルとかに近いんですかね。
まあそれにしても時折映される寿司の数々の美しいこと。本当に無駄がなく、美味しそうでぜひ一度できることなら食べてみたい。…とか思ったのですが、数年先まで予約が入り、しかも最低3万円からときたか。。それはちょっと厳しそうですわ。。

ただ、それでもやはり職人としての生き様は素晴らしいですし、こういう努力の形が今では時代遅れとなってしまうのでしょうが、私は自分の部活時代とかを思い出して、やはりいい時代だったよな、とか思えてしまいました。
deenity

deenity