samurai_kung_fu

かぐや姫の物語のsamurai_kung_fuのネタバレレビュー・内容・結末

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

面白いのはかぐや姫が永遠の輪の中に閉じ込められている点です。
劇中、終盤。かぐや姫が月にいるときに、地球を見ながら童謡を歌いながら慈しむように涙を流す“天女”を見て、地球にあこがれを抱いたことが明かされます。その感情こそ、かぐや姫が地球に追放の「罰」を受ける「罪」です。
地球に生まれ落ちたかぐや姫は、自然の中でかつて味わったことのない開放感をおぼえます。ところが、彼女の高貴な美しさにふさわしいお金や着物を前に、育ての爺さんは彼女を都(みやこ)へ連れていきます。最終的に御門(天皇)に求婚されるまでにいたります。しかしその瞬間に「月へ戻りたい!」と強く思ってしまいます(御門:帝:天皇、つまり天の使者であるハズの男が、ぜんぜん“天の使者”ではない偽りの男だったから)。
月からの使者はかぐや姫の地球での記憶を消して、月へ戻ります。
かぐや姫はかつて自分が見た童謡を歌う天女のように、失った地球の記憶の微かな残り香に涙し、地球へのあこがれを抱く。
かぐや姫が見た「涙を流す天女」は自分自身ではなかったろうか?

と、考えると『恋はデジャブ』みたいでロマンチックで好きです。
samurai_kung_fu

samurai_kung_fu