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見掛けは難病ものだし、確かに難病ものでもあるんだけど、スポーツもので、しかもオフビートコメディで撮影が手持ちカメラのドキュメンタリータッチなんだけど、主人公が気を失うとファンタジーになる。
わははは!>>続きを読む
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お金貢いで生活破綻して情熱的に入れあげていた相手なのに、ある瞬間に全く無価値な存在になる。
あはっ コリャやっちまったな……
あの気持ちが再現される地獄映画。
ペルーのジャングルに住む、高い知能を持つ特殊な熊種族、最後の末裔パディントンが、新たな家を求めてイギリスに降り立つ。
身長1メートルほどのかわいらしい小熊パディントンではあるが、彼に投影されているのは>>続きを読む
カトリックのミサといえば、神父が丸い小さなお菓子「ホスチア」を信者の口に入れて十字を切るあれだ。『ブラック・スキャンダル』原題の「Black Mass」(黒いミサ)とは、ヤクザのバルジャーがホスチアよ>>続きを読む
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先にこちらをお読みください。
https://filmaga.filmarks.com/articles/203/
以下、上記記事では書けなかったこと。
本作を貶すポピュラーな言い回しに「ジャズの>>続きを読む
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ハリウッド製娯楽大作と比べれば「アントニオ猪木vs3歳児」くらいの大差だが、染谷×橋本のセックス・シーンには1兆点をつけたい。
橋本愛に最後まで脱がせなかったのも良い。あの年頃のバストヌードなど「ジョ>>続きを読む
裏『セッション』。
頭は悪いが天才的な才能を持つデヴォンが、伝統ある大学のマーチングバンドに入り、成長するという話。
こっちの先生も厳しいが、罵倒は無い。かわりにデヴォンの不出来具合に腹をたてながらも>>続きを読む
このビジュアルと、この内容で、この振り切りの良さ。
映画としてどうこう言うのもバカバカしい。
これを「サイコー!」と言わずして何を「サイコー!」と言えば良いのだろうか?
理屈では無く、リビドーで判断す>>続きを読む
フィリピン刑務所内の、住人が全員罪人だけの街のような、いかがわし過ぎる光景が放つ強い生命力にまずヤラれた。
政治上層部の腐敗と、殺し屋稼業を並列に並べる編集の悪意も素晴らしい。
ほぼ無法な状態の中で、>>続きを読む
アメリカ。鬱蒼とした森の中、血が濃くなっちゃうので結婚相手は消去法で選ばれるというような凄まじいトレーラーハウス村。村の中心にボッカリ開いたどうでもいい穴を「穴神様」として信仰している。
という垢の臭>>続きを読む
『狩人の夜』『恐怖のメロディ』『フレイルティー』俳優が映画監督にチャレンジした処女作は狂っている。それらに加われる気の狂った作品。
叙述トリックとしては他愛も無いが、この世とは微妙に違った魔界独自のル>>続きを読む
ヨハネスブルクのドン詰まったバカが集まって行う強盗計画が、清々しく、おもいっきり空中分解していく様子が楽しい。
登場人物にテレビドラマの虚構が理解出来ない男というのが出てきてお腹痛かった。
デタラメに笑わせながら、情に溢れた光景に心地よく涙を流させる。下品な歌もまた良い。
終盤、健やかで愉快で楽しい作品世界が終了してしまうことがさみしくて、また泣いてしまった。
何度も見たい作品。
フォントリアーの過去作『キングダム』あたりの軽い感じが楽しい。特にユマ・サーマンが登場する章は劇場全体がドッカンドッカンと揺れるほどの爆笑であった。
『メランコリア』でも、ウド・キアーが登場する場面は>>続きを読む
JFK暗殺事件。当時もしもツイッターがあったら、本作のようになるのではないだろうか?
さまざまな視点と、事件により変わっていく個々の生活や人生。
本作は過去の史実を、こんにち的な捉え方で咀嚼した、ある>>続きを読む
そもそも劇映画は嘘なわけで、ならば気分よく嘘をつかれたい。壮大で、笑えて、艶っぽかったり、危険に果敢なのも良い。本作は上映時間中、一瞬たりとも本当のことなど映さない。全部嘘で、しかも心地よい嘘しかない>>続きを読む
アラサー版『桐島、部活やめるってよ』は、モラトリアムの終了と、その先にある地に足のついた、やや明るめな未来。
たまの休みにウッカリ午後遅くまで寝てしまった後悔のバージョンアップ版をやらかす姿や、そんな>>続きを読む
今年のNo.1です。
本作が無ければ今ほどインド映画にハマっていなかったかもしれない。
近年のモダン・インド映画の潮流を一気にひっくり返す、泥くさく仁義と任侠にあふれた警官やくざ映画。サルマーン・カー>>続きを読む
『死霊のはらわた2』や『プレデター』でモンスター・スーツを造形したスティーブ・ワンが趣味のカンフー好きをこじらせて作った、自分主演、監督のモンスター・カンフー映画。
モンスターとカンフーで戦うんですよ>>続きを読む
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レゴはレゴである。
映画的な象徴性を一切排除して、レゴのレゴ的な特徴を脚本へ落とし込んだ手腕は見事。だが、見事であれば見事であるほどに、息苦しい閉塞感まで胎動させている。
音楽担当、ディーボのマーク・>>続きを読む
ネパール、ブータン、バングラディシュ、中国に囲まれ、いまだに蒸気機関車の走る、“無国籍”情緒あふれるダージリン地区を舞台に。聾唖の青年バルフィと彼のマドンナであるシュルティ、富豪の娘で知的障害のあるジ>>続きを読む
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本作が優れているのは、アクション映画としてもモチロンそうだが、普遍的な世界の側面を切り取っているからだ。
その側面とは「経済」だ。
嫌世的に「金があれば何でも買える」と言った時に「何でも」が指すのは往>>続きを読む
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本作での最も素晴らしいシーンはラスト、ヒットガールvsマザー・ロシアの戦いであることに異論は無いであろう。殺人術を身に付けているとはいえ、まだ15歳の少女であるヒットガールに対し、ロシアの刑務所で同房>>続きを読む
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人は死ぬ。殺せば死ぬ。死んだらソイツが原因の困難も消える。
けれど、普通はしない。殺した後が面倒くさいし、警察にも追われる。殺すことでなくなる困難と対等な対価が死なのかは、殺した後では覆せない。
でも>>続きを読む
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まずは設定の勝利を讃えたい。
悪魔払いで、追い払うことができなかった場合に自分に取りつかせた上で自殺をして悪魔もろとも地獄へ行く心構えをしている。そのため、いつ死んでも地獄へ落ちるように日ごろから姦淫>>続きを読む
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舞台劇「エクウス」でも、馬は「視線」として描かれているように、間近で見る馬の目は巨大でぎょろりと突きだして、人間よりも少し高い位置にある。
高級とされる馬革は薄く滑らかで、生きている馬の筋肉のオウトツ>>続きを読む
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生まれつき足が速い人にとって、遅い人の気持ちは理解し難いものだろう。
その逆もしかり。遅い人は速い人が理解できない。努力して研究して速くなってもまだ元々速い人が考えることが理解できない。
絶対に相容れ>>続きを読む
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後方車両に詰め込まれた貧困層と、エンジンを有した先頭車両からいくつもの車両を占有して優雅に暮らす富裕層と、世界を列車に見立てて設定し、生活はおろか人口までも調整しようとする傲慢を描く。
本作の白眉は車>>続きを読む
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藤子不二雄的なコメディ。
クローンに仕事をさせて、家庭に貢献しようとするも、大変なのでもう一人増やしたら、そいつが勝手にさらに増やして、クローンのクローンなので劣化しちゃってバカというのもラジカルで楽>>続きを読む
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タブロイド紙記者が臨月の奥さんと社内に渦まく人々に翻弄されながら少年犯罪の真相に迫る。というあらすじからは思いがけないほど軽妙で明るいコメディ。
終盤、新聞を印刷する輪転機の作業員が「あれ…… あれ言>>続きを読む
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リアリティ・ショーを題材にした作品。公開当時、同じタイミングで公開され、ほぼ同じテーマを持った『トゥルーマン・ショー』の方が主演ジム・キャリーのネームバリューもあって優遇されていたが、マシュー・マコノ>>続きを読む
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常々、映画でものすごく酷いことをした悪役があっさり額を撃ち抜かれて死ぬ描写には違和感を持っていた。たとえば家族皆殺しにされた上で自分自身もメッタ打ちにされて生死を彷徨って、なんとか生還したら家も財産も>>続きを読む
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『ダイハード2』や『クリフハンガー』など90年代のド派手な映画を牽引したレニー・ハーリンによる、スター俳優不在のPOV作品。
POVも幽霊ものに端を発して、バイオレンス系や、怪獣もの、超能力もの、『プ>>続きを読む
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本作における「タイムトラベル」は「過去の過ちを認める」という行為の象徴である。
「現在を変えるために過去へ戻る」ということは「一度おかしてしまった過ちを踏まえたうえで、過ちをしていない人生を送り直す」>>続きを読む
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潜入捜査官もの。
自分の身分を担保する警察組織での上官と、ヤクザ組織で共にのしあがった兄弟分との挟間に立たされた男の悲哀を丹念に描いている。その丹念さにおいて、本作は鑑賞に値する傑作になっている。
ま>>続きを読む
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世の男どもが想い描くスチュワーデス(決してキャビン・アテンダントなんていう色気の無い職名では無い!)の「聡明で明るくて客の要求に従順で、性に奔放」といったイメージをオカマに託して描写することで、ステレ>>続きを読む