出張で空港に送ってもらう車の中で、妻は夫に突然の別れ話を切り出す。
数日後、2人で暮らした家から妻が出ていく日。
彼は無言で妻の荷造りを手伝い、思い出のレストランに予約を入れ、コーヒーを淹れる。
荷造りの進まない妻は…。
井上荒野の短編『帰れない猫』の映画化。
原題:사랑한다 사랑하지 않는다 (Come Rain Come Shine)
ある日突然別れを告げた妻と、それを責めず受け入れる夫の最後の1日を描いた作品。
3,4時間の出来事を、密室劇で丁寧に心のひだまで写し取る。
ただし、悪くはないが特別に良くもない。
とりあえず面白そうだったんで観てみたんですが、ここまで話がオシャレすぎると、私は眠くなってしまったのですよ。
劇的に何かが起こるわけでもなく、せいぜい猫ちゃんのエピソードがあるぐらい。
アングラすぎて、オシャレすぎて、3、4回、睡魔と闘いましたー。。。
でも、お互いを思いやっていたり。
出ていく妻の荷造りをしていたり、一緒にご飯を作ったり。
表情と言葉のひとつひとつになぜか惹き込まれる。
お互いが本当は思い合っているんだろうなって伝わります。
ただ、妻を大事にし過ぎる夫に、不満を覚える妻が見え隠れをしているようにも見えるが。
だがDVで酷い目に遭った女性ならば、あの旦那さんの価値は分かると思う。
作品では終始雨が降っていて、ハンサムで繊細そうな夫役のヒョンビンさんは、大抵濡れているか泣いている。
きっとヒョンビンさんファンには母性本能をくすぐられて、たまらない映画なのだと思う。
ヒョンビンさんの感情を抑えた演技やイム・スジョンさんの心が揺れる表情が見所です。
ただ、晴れているシーンが時々挟まれ、別れた後の夫の心象風景らしいのだが、正直分かりにくかった。
妻に浮気された上に出て行かれて、残される側になる夫の気持ちは想像不能です。
相当好き嫌いの分かれる映画で、私は嫌いじゃないけど好きでもないかな~。