すぽんてぃにあす

みえない雲のすぽんてぃにあすのネタバレレビュー・内容・結末

みえない雲(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

原作小説はベストセラーとなっただけでなく、原作推進派の政治家や原発関係者にも影響を与え、ドイツ国内等では学校の教材としても用いられた題材。
それを2006年に映画化した作品となる。

あくまで架空の物語。
チュルノブイリの事故を背景にしたとされ、もしこんな大惨事が起こったとしたら。
フィクションだとしてもとても意味のある内容だと思えた。

描かれる視点が女子高生、しかもチャラいグループみたいな描写に前半ハラハラされられたけど、事が起こってしまえば関係なくなってパニック映画宛ら。
精神的にも大人とは言えないハンナが体験するには辛すぎる展開に、これも原発事故の連鎖の一部なんだろうかと、画面を越えて胸が締め付けられる想いでした。

ただそもそもがラブストーリーとも受け取れる人間ドラマが備わっていること、その点は観やすい配慮になっている。
後半はそれらをベースとした被曝者の構図を描き、前半に比べて勢いこそ無いものの、メッセージ性としては非常に強い内容が繰り広げられていたと思える。

この手の作品にしては、希望に満ちた終わり方がとても良かった。
そして主演のハンナ役を演じたパウラ・カレンベルク、髪の毛が抜け落ちた後の姿は特殊メイクではないらしい…Σ('◉⌓◉’)