このレビューはネタバレを含みます
チェリーことアンジェリーナ(アシュリー・ヒンショウ)は窮屈な親元からまんまと逃げ出し、理解のあるルームメイトもいて、弁護士でイケメンの彼フランシス(ジェームズ・フランコ)もでき、だいぶ充実しているように見える。
飲んだくれだというの母親も、救いようがないほどのクズというわけでもない。
はじめはヌードモデルから始まり何が不満なのか、あるいは何を求めているのか、少しずつ、しかし確実にポルノの世界に浸っていく。
一応金銭目的っぽい雰囲気はあるけど、それほど金に困っているようにも見えない。
クライマックスでやっとジレンマらしきものが見えるが、それはあくまで彼女の周りが感じたもの。本人には全く響かない。
その弁護士の彼とも、理解者であるルームメイトの彼とも決別し、自分で答えを見つけるという決意を免罪符にしてさらなる深みに沈んでいく。
結局レズビアンの監督マーガレット(ヘザー・グレアム)のパートナーに落ち着き、ポルノの制作側に回る。
ただ流されているだけのような印象もあるにはあるが、つまるところポルノという世界の水が彼女の肌にあった、ということなのだろう。
テーマは重そうなイメージがあるけどとことんポジティブで、鑑賞後の印象はむしろ爽やかですらあった。