シズヲ

乱暴者(あばれもの)のシズヲのレビュー・感想・評価

乱暴者(あばれもの)(1953年製作の映画)
3.3
アメリカ史上初の暴走族映画!「これは衝撃的な事件である……」という前置きに加えて続々と登場するバイカー集団のインパクトによって彼らの反社会性への期待が高まるけど、実際のところ所業は結構半端なので肩透かしを食らう。確かにクソ迷惑な連中だし犯罪も犯しているが、やってることの大半はマナー無視のドンチャン騒ぎ程度なので“反社会的集団”というよりせいぜい“行き過ぎたアホのパリピ集団”みたいな印象。表現の制約も多かったであろう当時においてはこれくらいの暴力性が限界か。ストーリーもバカ騒ぎの比重が大きく、テーマ性の掘り下げなんかも薄いので微妙なところ。というか言うほど“衝撃的な事件”感も無い。

それでもなお若かりし日のマーロン・ブランドはめちゃカッコいい。風格ある佇まいにキザでクールな演技、更にヒロインとの不器用なロマンスが何とも憎めない。Durableのライダースジャケット+ロールアップされたLevi'sジーンズといったバイカースタイルの出で立ちも超良い(同じようなビジュアルで固めてる暴走族自体の様式美的な統一感も好き)。厳つい大型バイクとの親和性も勿論素晴らしく、当時の若者から後世のファッションにまで多大な影響を与えたというのも納得。あと若い頃のリー・マーヴィンが出てきて嬉しい。味のある存在感もさることながら、この頃から既に濃いおっさん顔なのが凄い。
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