このレビューはネタバレを含みます
ホン・サンス×イザベル・ユペールで最高にならないわけないじゃないですか!素晴らしかったです。
映画学校の女生徒が書いた三つのシナリオに出てくる”3人のアンヌ”。
青いシャツのアンヌは映画監督で同じく映画監督の友人夫婦と旅行中、赤のワンピースのアンヌは不倫中の社長夫人、緑のワンピースのアンヌは夫を韓国人の女にとられ学者の友人と傷心旅行中。
三つのパラレルな世界が微妙な差異の中で反復されるが、決まりごとのように青、赤、緑、どのアンヌも浜辺でライフガードと出会い、ライトハウス(灯台)を探し求めている。(そして灯台にたどり着くことはない)
軽やかに男を翻弄するイザベル・ユペールがとてもチャーミング。ヤギの真似があんなに可愛らしい60歳いないです。
また、ホン・サンス映画の代名詞とも言える登場人物たちの酒盛り&軽妙な会話劇も健在です。
当然のようにイザベル・ユペールと相性が良い。
それぞれ交わらないはずの3つの世界。
しかしはからずも赤のアンヌが捨てた傘で緑のアンヌが雨をしのぐとき、思わず笑顔がこぼれてしまった。
暗い夜の海を照らす灯台のような作品。