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ビフォア・ミッドナイトのhanaのネタバレレビュー・内容・結末

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ついに3作目。
サンセットから9年。サンライズからだと18年⁉︎
しょっぱなから予想外のびっくり展開で、そうなの⁉︎ってなって、初めの方の2人の会話の内容があまり頭に入ってきませんでした笑。そうか。そうなのか。これ今作はどういう風に話進むの?と若干うろたえた。昨日の夜サンセット観てからのモヤモヤ、ソワソワがぶっ飛びました笑。

3作目にして、2人ともずいぶん成熟した男女の空気感です。会話の内容がより現実味を帯び、母になったセリーヌはキレ味がさらに増してる。変わらないやり取りの中に可愛らしさも時々覗くけど、前作、前前作のような甘ったるさは鳴りを潜めてみえます。

今回の舞台はギリシャ。海や大地や植物などの描写が、今までの街中の風景とは全く違っていて、ここからも前作までとの明確な線引きを感じました。
いつもの2人の会話にプラスして、年齢幅のある8人で繰り広げられる会話合戦がありましたがすごく面白かったです。みなさんお話上手でいらっしゃる笑。楽しそうでうらやましい。
内容に関しても、今回は男と女の対比がすごかった。その流れで喧嘩や言い合う場面が多くてかなりハラハラ。

ホテルでの大ゲンカは、まるで自分のお隣さんを見ているようなリアルさがありました。っていうかどこの家庭でも必ずやるヤツですよね笑。あなたは自由でいいわね。私が家事をしてる間もふらふら散歩なんて。たったの1時間だ。いえ2時間よ。みたいな笑。
でもずっと一緒にいると、言いたくなるんですよね。我慢できなくなるの。わかるよ。2人とも言ってる事に両方頷けてしまう。

セリーヌの家族への愛情と、反面自立した賢い女性ゆえの現実への不満とか。前の奥さんとの子供ハンクの事で悩みを抱えつつも、イカれた君も最高な君も丸ごと愛せるのは僕だけだとか言い切っちゃうジェシーのひたむきさとか。
セリーヌの葛藤は女性からするとすごく腑に落ちちゃうんですが、でもジェシーのあの、それでも君の事全部受け止めようとしてるじゃないか攻撃wは、ウソじゃないと思うよセリーヌ。でもきっとお互いに、足りない事も伝えきれてない事も気づけてない事もいっぱいあるんですよね。人間だからね。

最後のジェシーの、『真実の愛はここにある。完璧じゃないけどこれこそ本物だ。それがわからないならぼくはあきらめる。』は効いたなぁ〜。ちょっと泣きそうになりましたね。君はおとぎ話に生きたいだけってヤツ。難しいよね。でもお互いにちょっとずつ歩み寄っていくしかないもの。

ラストはいつもの2人の雰囲気で仲直り出来て良かった。ホント良かった笑。私は3作の中で今回が一番しみました。ケンカも罵り合いも繰り返しながら、また年を重ねて欲しいなぁ〜。

ただのロマンチックだけで終われるわけがないじゃない、というのを今回の3作目で見せてくれたことに、監督と主演2人の作品への愛情の深さを感じた気がします。しみじみ感慨深い。
3部作ちゃんと見届けられた。大満足です◎良かった‼︎
hana

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