ちょこばなな

奇跡のリンゴのちょこばななのレビュー・感想・評価

奇跡のリンゴ(2013年製作の映画)
3.5
憎めない、温かい人たちのあったかいお話。
観る時の心境によって心動かされるシーンが変わる。
お父ちゃんの固く握りしめたりんご見たさに2度目の鑑賞。
1度目は気付かなかったが、音楽が久石譲さんなのも作品の雰囲気に合っている。

“1つ失敗したら、1つ常識を捨てればいい”
“こして自然に振り回されて生きる方が、かっちゃは好きだ”
お母ちゃんの言葉がとても素敵。

菅ちゃんの“おてんとさまだぁ”の優しい響き。
終始菅ちゃんの優しい声のナレーションが流れて、菅ちゃんファンにとって耳福。

このままだと、お寿司になってしまうなぁ。はシリアスなシーンなのに笑ってしまう笑

窓越しの会話、役者視点など撮り方も面白い。
役者さんの演技は殆どパーフェクトなだけに、学生時代の美栄子ちゃんの笑いに違和感を感じるのが惜しい。
感動の押し売りを多少感じる場面もあったり、奥さんとお父ちゃんを散々振り回した末に自ら去ろうとする主人公の無責任さには怒りを覚えたが、ただの感動物語ではない、ただただ美しい作品。

元となった人物がオカルトにハマっていようが、特定農薬を使っていようが、人体に害を与えない点から見て“無農薬”であることに変わりはないと思う。

辛いときには菅ちゃんと阿部サダのこの一言。
“笑わねば!人間だけが持ってる性能だべ、
無くてはならねえすんげえ才能だべ!”
大きな声で笑うことが出来るのは人間だけのようだ。
“1つのものに狂えば、いつか答えは見つかる。”

本田博太郎さんが、個性と共に自身の品を隠せない演技で印象的。