しろくま

真夏の方程式のしろくまのレビュー・感想・評価

真夏の方程式(2013年製作の映画)
3.6
《お客さんが死んじゃったよ》
〝岩場で死体が見つかったんだって。夜散歩に行って堤防から落ちたのかもって警察の人が言ってた。でもありえないんだよ。下駄が落ちてたんだって、死体の近くに。でも下駄じゃ…〟

オトンとオカンの都合で、夏休みを親戚が経営する旅館で過ごすことになった小学4年生の少年恭平。少年探偵団みたいな名推理をあの福山雅治大先生に披露して褒めてもらえるのかと思ったら〝そんなに頭がいいんだったら理科の勉強をしろ。探偵ごっこで無駄に夏休みを過ごすよりずっとましだ〟って言われて…。事件解決の糸口を少年に先に言われたのが気に食わないの?なんか大人げないなあって思っていたら…。〝理科なんて何の役に立つんだよ。ミジンコがどうのとか、磁石がどうのとかそんなのどうでもいいじゃん〟って見事な反撃。そうそう、誰もが思っていてもなかなか面と向かって言えないことをストレートに言い放つこの少年、ただ者ではないね。そんな理科大嫌い少年を理科好きにするミッションが繰り広げられる本作、なかなか面白い。

15年前の殺人事件と絡んで起きた今回の事件。旅館を経営している親子が隠している哀しき過去とは?互いを愛するがゆえに守ってきた秘密が次々と明らかとなっていく。しかしそれって少年が探偵ごっこで首を突っ込んでいいような事件ではない。だからあの時、少年を事件に関わらせようとしなかったんだね。しかし少年をも巻き込む深い闇が潜んでいて…。〝実に面白い〟とは言えない切なくビターな展開は〝容疑者Xの献身〟と一緒だね。

視聴メモ:2024.04.04/039/図書館DVD
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