シネマスナイパーF

パシフィック・リムのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

パシフィック・リム(2013年製作の映画)
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劇中マコが「もう二手早く倒せるはずなのに何故手間をかけるのか?」という質問をする
その答えを出してくれるのは、"人類の勝利"、イェーガーであり、"ボンクラの勝利"、このパシフィック・リムだ!
さあ君も、真面目な頭をスコシオサエテ、キガエルンダ!

ロマンとは、ガチャガチャしたディテールや余計な手間の積み重ねの上に存在しているものであり、無駄のなさや洗練されたフォルムとはまた違った魅力がある
第三世代復旧計画と銘打ってジプシー・デンジャーを掘り起こすという選択!それもこれも、かつてジプシーで戦場を駆ったパイロット、ローリー・ベケットに、ここで死ぬかイェーガーの中で死ぬか選べという言葉をかけるための手間であり、旧世代こそ至高!的な懐古主義をくすぐってきやがる、ある種の外連味なわけですよ

このトレーニング意味あんのかよと思ってしまう棒術とか、最終決戦での愁嘆場で多分カイジュウは待ってくれているんだろうなとか、ここまで全力の映画だと味ですよ味
こんな核ミサイルどっから持ってきたんだ!?チェルノのロシア夫婦が手配した

人間ドラマが薄いとか言うけど俺はビンビンに感じたぜ!家族のドラマだよなコレは
最終決戦なんてさ、親を送り出す子と子を送り出す親の両方の視点から見れるんだぜ
主人公だって兄を亡くしたトラウマを乗り越えて闘いに身を投じて、過去を乗り越えて行くんだよ
意思のないクローンでしかないカイジュウ達と、お互い心を通わせ巨兵に乗り込み闘う人類の対決!博士達による男達の友情もあって最高じゃないですか!

イェーガーの良い意味での鈍重さは何に起因するものなのか?
思い切りのいい映画でありながら、どこか悲愴感が消えない物語でもある
パイロット達は歴戦の勇者たちであり、出向く闘い全てが死地へと繋がる…彼らが本当に活き活きしていた、活躍していた時はもう過ぎている
あの重さは、性能だけではなく、搭乗する人間にも起因しているんじゃないでしょうか

香港決戦は、もっとクリムゾン・タイフーンが活躍していれば完璧だった
いやそんなの抜きにして完璧だよ