原典へのオマージュなんて一切わからんという人間は楽しめない、という作品にはなっていないんじゃないかな
実際僕は一切わからん側の人間ですが、怪獣の名前や特性、どれも初耳です状態でも楽しめましたよ
○ッ○ンはヤバい、ってことだけ分かってれば良いっしょ
この作品に関して僕の喋れることは、シン・ゴジラとの対比ぐらいしかないです
あと長澤まさみの素晴らしさ
現実に虚構を捩じ込んだことで好評を博したシン・ゴジラに連なる作品であることを、オープニングで完全に宣言してしまってはいる
しかし、このウルトラQ→ウルトラマンの流れの再現を行った直後から、この世界では禍威獣による襲撃は普通である＝現実とは明らかに違う、ということも宣言している
我々の知る世界にとんでもない異物が現れる話のシン・ゴジラに対し、ブッ飛んだSF世界観をそれなりに現実へ近づけた話が今作なので、似て非なるものですよと最初から言っている
そもそも、自然災害に知を持って総力戦を挑む人間を中心とはしておらず、人間の良くない部分を炙り出す輩とそれらに翻弄される人類を前にしてなお毅然とした強さで人間を信じるウルトラマン彼自身を中心にしているため、方向性が違うのは当然かな
それでも、シン・ゴジラほどではないとはいえ、今この時代に改めて語るべき内容として纏まっていた
信用社会における文字通りの力そのものを争う展開は至って真摯で真面目
SF考証を真剣にやっているかのように見えて半ばヤケクソな描写に振り切ることもあるこのバランスは、どっちつかずで好みが分かれるかもしれません
僕は大好きでした
このぐらいが一番浪漫に溢れてる
ウルトラマンを語り直すにあたりアップデート頑張ったけど限界ありましたってのは、高次元の存在の前に地球人は無力という後半の展開とある意味マッチしてて微笑ましい
ウルトラマンは人間に都合のいい存在ではない
でも間違いなく、我々の希望の象徴でありヒーローである
あくまでも真実に基づき、しかし弱きを助け強きを挫くという自らの正義を貫く、美しき化身である
空想と浪漫。そして、友情。
完璧なキャッチコピーだった
胸熱！
