カツマ

パシフィック・リムのカツマのレビュー・感想・評価

パシフィック・リム(2013年製作の映画)
3.8
オタクの夢がハリウッド規模で爆発した、ご存知本格派の怪獣特撮ムービー!続編がついに来月公開ということで前作をまずは鑑賞。
パトレイバー、Gガンダム、エヴァンゲリオン、そして数々の怪獣映画にオマージュとリスペクトを捧げ、それをバランス良くアメリカ映画風にシャッフルして解き放った、非常に器用な作品。ポスターの巨兵という言葉の通り、フランシスコ・デ・ゴヤの作品からもインスパイアされており、それは即ちジブリ映画の巨神兵ともリンク。デジャヴ感はあるのにパクりにならない絶妙な匙加減だ。そして圧倒的なエンターテイメント性!オタク要素を王道にまで引っ張り上げた、特撮や怪獣に目一杯の愛を感じる作品だ。

海底の割れ目から突如出現した怪獣と人間たちとの激闘は、2020年にはイェーガー(狩りの意味を持つ操縦者)が駆るロボットvs次々と襲い来る怪獣たちによる戦争状態と化した。イェーガーは次々と怪獣を討伐し、英雄としてもてはやされていた。
そんな英雄たちの仲間入りを果たしていたベケット兄弟は、怪獣ナイフヘッドとの激闘に挑むも、兄ヤンシーは戦死。弟ローリーは何とか1人で怪獣を打ち倒したが、イェーガーに戻ることはなかった。
それから5年、怪獣は凶暴さを増し、イェーガー達は次々と戦死。引退していたローリーは指令本部へと連れ戻され、兄に代わる新たなパートナーを探すことになるのだが・・。

デルトロはこの映画の多くのオマージュが日本から来ていることをしっかりと示した。菊地凛子を重要な役でキャスティングし、彼女にわざわざカタコトで日本語を喋らせるという設定まで盛り込んでいる(子供の頃に日本を離れているため、日本語の発音が怪しくなっている、という設定らしい)。
男女のシンクロのシーンはもろにエヴァだし、どう見てもシャイニングフィンガーにしか見えない技も炸裂したりと、オタクには嬉しい設定てんこ盛り。続編では監督が交代しているが、デルトロの世界観をどこまで引き継いでくれているか。公開を楽しみに待ちたいと思う。
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