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REBEL MOON ー パート1: 炎の子のカツマのレビュー・感想・評価

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)
3.9
侵略者がやってくる。平和は遥か遠くに打ち捨てられ、死ぬように平伏するか、生きるために闘うのかの選択を迫られる。彼女たちは後者を選んだ。仲間たちを集め、故郷の村を守るため、反逆者という名の英雄となるために。やがて始まる宇宙全てを巻き込む激戦の、これはまだほんの序章に過ぎなかった。

『300』やDC作品の大作、更には『ドーン・オブ・ザ・デッド』『アーミー・オブ・ザ・デッド』といったゾンビ映画も手がけてきたザック・スナイダーが、Netflixをバックにつけ、新しいスターウォーズ風映画を完成させた!ザック自身が11歳の時に観た本家『スターウォーズ』から着想を得ており、自分にもスターウォーズのような作品が作れるはず、という野心から始まり、ついにはNetflix映画として日の目を見た作品である。2部作構成となっており、これはその前半部。とてつもないスケールで、明らかに配信で観る規模感ではないのは間違いなかった。

〜あらすじ〜

帝国マザーワールドは宇宙を支配して巨大な力を手にしていた。帝国は王を圧倒的な権力として崇め、支配と侵略を繰り返して、宇宙の広大な地域を統治下に収めていたが、内乱が起きたことで勢力図が激変。摂政バリサリウスが謀叛を起こし、王と女王を暗殺。マザーワールドはバリサリウスの支配下に置かれることとなった。
ところ変わってそこは衛生ヴェルトのとある農村。そこに住むコラは、ある秘密を抱えながらも村人の中に溶け込みながら生きてきた。友人のガンナー、村長のシンドリら、コラは農業の盛んはその地域で皆から受け入れられ、農民の一人となって生きていた。
だが、そこへノーブル提督率いる帝国の戦艦が着陸し、補給と称した強制的な略奪を開始する。その際に村長のシンドリは見せしめとして殺され、村人たちは帝国の兵士たちの監視下に置かれた。兵士たちの行動は徐々にエスカレートし、村の女性に危害を加えようとすると、コラは敢然と兵士たちに立ち向かって・・。

〜見どころと感想〜

もう冒頭の説明文から完全にスターウォーズを意識しているのは明白。ストーリーも似ており、帝国とそこに立ち向かう主人公たちの構図も同じ。オマージュしているのは監督自身も認めるところなので意外性は無かったが、惜しかったのはキャラの作り込みである。キャラ設定の深掘りが薄く、キャラクターが何故、仲間になるのかの意味が汲み取れない。出会ったらサクサク仲間になるので、知らない人にホイホイ付いて行ってはいけないよ、と忠告したくなってしまった。

とはいえ、キャストが超豪華なので、力技で押し切れる側面もある。主演のソフィア・ブテラはキレのあるアクションで随所に見せ場を作り、その強さに説得力を持たせるトレーニングを積んできたことを窺わせる。共演にはチャーリー・ハナム、ジャイモン・フンスー、ぺ・ドゥナ、など仲間内だけでもかなり揃えてきており、ダメ押しのように声の参加でアンソニー・ホプキンスまで参入している。怪演しているのはエド・スクラインか。特に後半のインパクトは相当なものだった。

今作は総括すると仲間探しの映画である。つまり、ロード・オブ・ザ・リングだと『旅の仲間』に位置する作品である。なので、まだ謎な部分も多く、時間も説明も全体的に足りていない。本当に二部作で完結するの?と思えるほどに風呂敷が広がっており、これをどのように収拾してくれるのか後半部が楽しみである。色々と雑なところは散見されど、スターウォーズっぽいものを作りたい、という強烈な熱意に押されて、何だかんだ嫌いになれない作品でした。

〜あとがき〜

さて、話題になっていた作品ですね。Netflix映画でも屈指の巨額が投入されたのは間違いないでしょう。とんでもなく豪華な一本です。

内容は色んなスターウォーズ的な映画の合成体なのですが、本家が迷走した今となってはこちらの方が面白いですね。スターウォーズの特に8作目と9作目は酷かったので、スターウォーズをザック・スナイダーの監督脚本で観たかったかなぁと少し思ってしまいました。

後半は4月とのこと。この流れだと後半の方が面白いでしょう。楽しみに待ちたいと思います。
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