しろくま

最高の人生のはじめ方のしろくまのレビュー・感想・評価

最高の人生のはじめ方(2012年製作の映画)
3.6
2022.9.03/190/Abematv
〝全部飲むの?〟〝そのつもりだよ〟〝なぜ?〟〝酒飲みだからだよ。酔っぱらえば、愚痴も言える。涙を流せばそこへいけるんだ〟〝どこへ?〟〝必要なところへさ〟

大人だったら、聞いちゃいけないって判断ができるけど、子どもって好奇心の塊だから、他人のプライベートにずかずかと踏み込んできて、あんなことやこんなことまで平気で聞いちゃうから恐ろしい。妻を失い酒に溺れてしまった老作家モンテ・ワイルドホーン(モーガン・フリーマン)も、隣に住むシャーロットの次女のフィンの質問攻めの餌食に。そのフィンから、想像力について聞かれたことから、小説の書き方を教えることとなり、末っ子のフローラにお話をしてあげていくうちに…。

〝最高の人生の見つけ方〟は終活がテーマだったけど、本作はリスタートがテーマ。ロバート・デ・ニーロの〝マイ・インターン〟のように異業種で生きがいを見つける場合もあるけど、草刈正雄の〝68歳の新入社員〟のように同じ職場で再雇用っていうのもあるね。お隣さんとの交流を通して、創作活動を再開しようとする本作は、後者の方。小説の書き方や想像力の伸ばし方を教えた次女との師弟関係や、書き上げた物語を末っ子が楽しみにしていることが、もう一度小説を書きたいという気持ちの原動力なんだね。
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