パケ猫パケたん

ミカエルのパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

ミカエル(1924年製作の映画)
4.0
㊗️カール・テオドア・ドライヤー
  セレクション vol2 福岡開催🎉🎶


『ミカエル』 (1924)
🇩🇪ドイツ 95分 サイレント


●スタッフ

監督・脚本
カール・テオドア・ドライヤー

原作
ヘアマン・パング(小説『ミカエル』)

撮影
カール・フロイント
ルドルフ・マテ

舞台美術 
フーゴー・へーリング


●キャスト

ベンヤミン・クリステンセン
(クロード・ゾレ)

ヴァルター・シュレザーク
(ミカエル)

ノラ・グレコール
(ザミコフ侯爵夫人)


●ストーリー

著名な画家、クロード・ゾレは、画家志望の青年ミカエルを養子に迎え、二人で豪邸に住んでいた

パーティーで出会った、ザミコフ侯爵夫人の肖像画を引き受けるゾレだったが、彼女は若いミカエルを誘惑し、ミカエルも、その美貌に魅せられてしまい😻、、、(パンフより)


●レビュー

🇩🇰デンマークの巨匠、カール・ドライヤーが、ドイツに招かれて監督した作品

サイレント映画🎥も数々観ている、オイラなのだが、この映画は、サイレント映画特有の俳優のオーバー・アクトも無くて、リアルな演技で驚いた

ドライヤー監督が、ホモセクシャルな性向があるようで、ゾレとミカエルのロングテイクを観ていると、親密な空気のやり取りで、意味深🐱
この時代に、ホモセクシャルを扱うのも大胆である

撮影も豪華で
カール・フロイントと、ルドルフ・マテと、超有名どころが担当
クローズアップは少なく、全編がほぼ館内で展開していくが、豪邸であり、美術品の数々、揺らめく暖炉の炎、煌めく貴金属、焦点の深い撮影などが美しく、飽きることがない、映像自体が芸術品🎨

ほぼ引きの画面ながら、ザミコフ夫人の目線で、美青年ミカエルをクローズアップで見つめる場面など、可愛らしい🐱
更に、そのザミコフ夫人の瞳を、ミカエルが絵画に描くシチュエーションは、後から振り返ると心理的に、エロい😻🎵

室内の小さな噴水⛲、決闘🔫、蝋燭の光の揺らめき🕯️✨は
スタンリー・キューブリックの『バリー・リンドン』(1975)を想起させてくれて、キューブリックの悪戯心にニンマリする🐱🎵
また、煮え切らないミカエルの顔が、同映画📽️のライアン・オニールに似ていて、笑える🐱w

大画家のクロード・ゾレを演じているのは、『魔女』🧙‍♀️(1922)の監督であるベンヤミン・クリステンセンなので、伝説の巨匠が拝めて、オイラ🐱、その点も驚いた
如何にも、芸術に捧げきったような、その男前で厳しい顔は、ピッタリであった

大監督を映画に出す演出は、ベルイマンの『野いちご』(1957)に於けるビィクトル・シェストレム、ゴダールの『軽蔑』(1963)に於けるフリッツ・ラングなど、枚挙に暇がないが、この演出も始めてに近いと思うし、メタな演出に痺れる

ミカエルは、優柔不断な男なので、映画のタイトルは、『ミカエル』ではあるが、クロード・ゾレが真の主人公であろう、芸術至上主義のテーマは『ゲアトルート』(1964)に通じている(後日、レビュー予定🐱📆、&難解😿)

また、ザミコフ侯爵夫人を注視して観ると、もう少し圧倒的な別嬪しゃん👱‍♀️✨であれば、もっとオイラが喜んだ😻であろうが、なかなか貴族の放蕩さ、残酷さが描かれており、クロード・ゾレの死と相まって、ルキノ・ヴィスコンティの『ベニスに死す』(1971)や、『イノセント』(1975)を彷彿とさせて、高貴で🌺、背筋が凍る思い🥶


KBCシネマ🎦 (聖地枠)
シネマ2

2024ー24ー18