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SHORT PEACE ショート・ピースのJINのレビュー・感想・評価

SHORT PEACE ショート・ピース(2013年製作の映画)
3.5
日本をテーマにした4つの短編からなるオムニバス作品。
それぞれの作品に対して感想を。

オープニングでは春名風花ちゃんが女の子の声を演じてた。
彼女は実に声優さん向きの声をしてるよね。

『九十九』はまるでまんが日本昔ばなしでも見てるかのような内容やったけども、衣装や唐傘、織物など小道具の和テイストがものすごく細やかなところまで描かれていて、今までに見たこともないオリエンタルな美しさを持ったアニメーションだった。
話の内容はそんなにたいしたことなかったけどね。

『火要鎮』はさすが大友克洋監督だけのことはあって、一番見応えがあった作品。
これもまた今までに見た事もない和の美しさを感じさせられたアニメーション。
江戸時代の儚い恋物語といった趣やねんけど、短いが故に妙に残る作品でもあった。
全体的に美術だけでなく音響も素晴らしかったね。

『GAMBO』は一番クセのある絵で、特に鬼がめっちゃおっかなく描かれてた。
見所は鬼と白熊の死闘やったりするんやけど、鬼のスリーパーホールドと白熊のベアハッグとの対決はかなり凄まじいものだった(笑)
何か惨い内容とクセのある絵がやたらとマッチしてたもんで、インパクトはかなりのもの。

他の作品が全部時代劇なのに対して、最後の『武器よさらば』だけが近未来の東京という設定。
これは元々大友克洋が昔読み切りで描いた作品らしい。
ああ、なるほどなあといったところかな。
個人的にはちょっと物足りない作品だった。
 

とりあえず上映時間は全部で68分と短いから観やすいとは思う。
とにかく和のアニメーション美術とその音響の素晴らしさをじっくりと堪能することはできた。
後はそれぞれのストーリーがもっと魅力的だったらなあと、それが残念でならない。
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