九月

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命の九月のレビュー・感想・評価

3.7
サーカスの団員で、町を転々としているルーク。
警察官のエイヴリー。
ルークの息子ジェイソンと、エイヴリーの息子AJ。

それぞれの人物に焦点を当てた三部構成で物語は進んでいくが、どのパートも嫌な気持ちになりっぱなしだった。

知らない間に恋人(とも言い切れない)ロミーナとの間に子どもが産まれていたことを知ったルークは、側にいるためにサーカスを抜ける。が、すでに彼女には新しい恋人がいて、その人が子の父親のような存在であることを目の当たりにする。
それでも、母親になったロミーナと自分の子どものために、と取る行動にいきなり眉を顰めてしまった。

正義感に溢れたエイヴリーの仕事を全うする姿には救われるような思いだったけれど、周りの同僚や組織の仕組みに、正しいって一体何なのか?という疑問が。

最後に待っている、彼らの子どもたちの物語。実の父親を知らないジェイソンと、仕事に明け暮れる父親とはほとんど一緒に過ごしてこなかったAJ。そのふたりの育ち方の違いや出会いがまた皮肉なもので、まさに宿命という言葉を体現したようなストーリーだった。
ラストのシーンはカタルシスを感じられるような映像で、そこまで嫌な余韻はなかったけれど、ずっと鬱屈な気分にさせられていたので、全然すっきりもしなかった。
九月

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