革芸之介

クレージーホースの革芸之介のレビュー・感想・評価

クレージーホース(1973年製作の映画)
3.9
ホドロフスキーのお友達のフェルナンド・アラバール大先生の映画作品は本当にぶっ飛んでます。本作DVDパッケージには「ホドロフスキーに大きな影響を与えた~」とか「エル・トポやホーリーマウンテンのDNAここに結実」とか記載されている通りホドロフスキー好きの皆様にはお奨め作品でございます。

ホドロフスキー、ブニュエル、フェリーニ、パゾリーニ、寺山修司達の映像世界に汚物と精液を、ぶっかけた激しすぎる映像表現に気持ち悪さを通り越して奇妙な感動に導いてくれます。

タイトルが「クレージーホース」ですが、もう映画そのものがマジでクレージーです。
「アラバール作品って難解でアヴァンギャルドなんじゃないの?」って噂されてますが、そんなことないです。この監督ほど素直に率直に映したいものや撮りたいものを、そのまま画面に映す監督も珍しいのではないでしょうか。あまりにもダイレクトに撮るのでグロいの苦手な人はちょっとつらいかもしれません。実際、私も少しだけ「おぇ~」って吐きそうになったことを告白しておきます。

主人公アデンは母親殺しの容疑をかけられ警察に追われます。都会から砂漠に逃亡したアデンは、この砂漠でマベルという不思議な能力を持つ男と出会います。二人は友情を深め、マベルはアデンの住んでいた都会に興味を持ち、「僕も都会に行きたい」と思いがこみ上げ、アデンとマベルは飼っているヤギも連れて都会に向かいます・・・・・。

アデンとマベルの奇妙な友情が素晴らしい。マベルはずっと砂漠で動物たちと暮らしていたので童貞なんだけど、アデンはマベルのために自分のセフレを呼びだして、「マベルとセックスしてあげてくれ。彼はまだ女を知らないんだ」と言ってセフレに無茶ぶりします。セフレは「イヤよ!あんな汚い男に抱かれるなら死んだほうがマシだわ!」って怒ります。そしたらアデンも、ぶちぎれて「おまえは、人を外見で判断するのか!マベルは本当に純粋なんだ!ピュアなんだ!人の中身をちゃんと見ろ!」と叫び、なんとセフレをぶん殴り、殺しちゃうんですね。もうあまりにも唐突な展開にぶっ飛びますが、これがアラバールの真面目に映画に向き合っている姿勢だと思います。

この監督の特徴として、所々に幻想的なシーンが挿入されます。白装束のガスマスクをした某宗教団体みたいな人たちが砂漠で踊ったりするシーンや、主人公のアデンの幼少期の性的トラウマが生々しく表現されます。チ○コを釘で刺されるシーンもあります。

それと母親との愛憎入り混じる近親相姦的な妄想もアラバール作品ではお馴染みですね。母親と廃墟で踊るシーンやチ○コに蝋燭を垂らされたりする妄想シーンも出てきます。

もう、とにかく印象的な場面をあげたらキリがないくらい衝撃映像の数々。かなり気持ち悪い場面も多いがアラバール監督の映画に対する真摯な姿勢が伝わってきます。