Melko

IT/イットのMelkoのネタバレレビュー・内容・結末

IT/イット(1990年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「消えろ」
「嫌なら?」
「6人なら、お前を病院送りにできる」
「7人だ」
「お前らみんな殺してやる!」
「聞き飽きたぜ」

「イットはそんなに強くない!でなきゃ、とっくに殺されてる」

“ I believe in Santa Claus. I believe in the Easter Bunny. I believe in the Tooth Fairy. But I don't believe in you. “

超有名だけど一度もちゃんと見た事ない作品を見てみようの巻
リメイク版を先に見ているので、展開と結末を知った上で鑑賞。3時間の長尺はあまり気にならず。だが……

ん〜〜〜惜しい!
前半90分だけなら高スコアつけたくなるぐらい良かった。子供それぞれの個性と各々の抱く恐怖心の描写が割と細かく描かれるので、7人とメインキャラが多いのにすんなり覚えられる親切描写が好感持てるのはもちろんのこと、スタンドバイミー的な子供時代のノスタルジーが香ばしい。
いじめられっ子の集まりである「弱虫クラブ(loser’s club)」がみんなただいじめられて卑屈になるのではなくて、逞しく団結していじめっ子を追い払ったり、恋したり子供らしく川辺でダム作って遊んだりしてちゃんと青春してるのが、自分の子供時代を見てるようでなんだかとても良い。
何よりも、そんな7人を演じた子役達がみーんな演技が超巧い…!!!大人顔負けの喜怒哀楽な演技。主役のビルを演じたジョナサン・ブランディスはもちろんだけど、残りの6人も甲乙つけられないぐらいうまい。

なのだが、後半90分大人になった30年後のパートが、なんともテンポが悪い。というか、怖がり方がくどい。
大人にだって見えるんですよ「IT」は…ってことを強く印象づけたいのかな。良い加減覚悟決めろ!って何度思ったことか。。
おまけに、大人になったみんながなんか色々ダメダメ&グダグダすぎて…
あとリメイク版でも思ったけど、メンバーへの思わせぶりが酷すぎる紅一点ベヴのことがやっぱりどうしても好きになれない…精神的に酷いトラウマがあるとはいえ、なかなか脆いキャラなのに、チーム内では「気が強くて面倒見の良いお姉さん」キャラで振る舞ってるのもなんか納得いかない…本当に彼女で良いの?ベン……
逆に、リメイク版では特に何とも思わなかったけど、今作を見てキャラの中で1番良かったのは、喘息持ちのエディ。身体が弱い彼を心配する病的に過保護な母の元、身体的にも精神的にもなかなかなハンデを背負っている彼だが、実は誰よりも思いやりと強い心を持った、男気溢れる良い漢!!正直、リメイク版と比べると、今作のエディは死ぬほどの致命傷は負ってなかった気がするのだが……

てか何よりも今作で1番納得いかないのが、7人の思い出に1ミリも関係ないビルの妻オードラがなかなか出しゃばって、且つラストがビルとオードラの感動的なシーンで終わったこと…え??そこは7人の物語なんだから、7人のカットで終わってほしかった…何とも残念

とは言え、「IT」を演じたティム・カリーの存在感は言わずもがな凄かった。THE不気味
あんなモン、どんなにハートの強い子供が遭遇したとしてもトラウマもののインパクト。。あの微妙に焦点の合ってない目線はどうなってんだろ、、
出演シーンの全てがなかなかの濃さ。色んなシーンがミーム画像になるのも分かる。

あとこれはもう時代的に仕方ないんだけど、終盤のバトルはやはりリメイク版に軍配。
今までの恐怖シーンやITのビジュアル脅かしは何だったんだってぐらいのチープさな蜘蛛…34年前だから、、仕方ないのだけどね、、
Melko

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