すずき

ラッシュ/プライドと友情のすずきのレビュー・感想・評価

ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)
4.5
1970年代、カーレースドライバーのジェームズ・ハントは、遊び人だがズバ抜けた才能で、着々と成功への道を駆け上がって行った。
一方、もう1人の主人公ニキ・ラウダは、ハントとは正反対の真面目な性格。彼もまた天才的技術とメカニックの知識を持つが、ハントとの初レースで土を付けられてしまう。
順風満帆なハントだったが、フェラーリのドライバーとなったラウダとの再戦で敗北し、それから彼はドン底に…

カーレースという危険なスポーツに命を賭けた、2人の男の確執と友情を描く、クッッッソ熱いスポ根映画。
「フォードvsフェラーリ」もそうだったけど、爆音を上げるマシンに乗ってコンマ1秒を競い合う、まさに「男の世界」!
「フォード〜」の男同士の相棒のような関係も良いけど、ライバル関係もシンプルに燃える。
臨場感や表現は「フォード〜」だけど、ストーリーやキャラクターはこちらの方が好きかも。

あとハントとラウダの関係は、松本大洋の漫画「ピンポン」(映画及びアニメは未見)のペコとスマイルを思い出した。
自由奔放な天才型のペコは、やがて理論派クールな2番手だったスマイルに追い越され、ドン底を味わうけれどそこから復活して…みたいな。
しかし、この映画は更にそこから今度はラウダがドン底になって、2人とも違う形ではあるが苦しみを味わう。
そして2人は思う、俺はアイツに勝ちたい!と。
そこには嫉妬や憎しみを超えて、互いに尊敬と友情があった。
性格から生き方まで、決して交わる事の無いはずの正反対の2人。だが、カーレースという世界が、運命のように2人を引き合わせたのだッ!

事実を基にした映画で、ニキ・ラウダ本人も「事実に近く脚色が少ない」と太鼓判を押した本作。
リップサービスかもしれないけど、これが事実ならドラマチック過ぎるでしょ!

吹替で鑑賞、主演は東地宏樹さんと藤原啓治さん。
他、脇を固めるキャストもみんな上手くて良かった。
劇場公開版では主演2人はKinKi Kidsが声を当てていたらしい。なにそれヤバそう。