あなぐらむ

色情妻 肉の誘惑のあなぐらむのレビュー・感想・評価

色情妻 肉の誘惑(1976年製作の映画)
3.9
一度観てみたかった松永てるほ主演の一作。脚本は西村監督とは名コンビだった奇才・桂千穂で、かなりぶっ飛んだお話でその飛躍と暴走は成程、曽根中生が嫉妬したのも分かる破天荒さ。
共演はお馴染み渡辺とく子。男優は山田克朗、影山英俊、坂本長利(タロット占い師!)に丹古母鬼馬二とオールスター戦の様相。

撮影が前田米造で、手持ちを多用したドライブ感ある映像が楽しい。
次から次に性のトラブルに見舞われるジェットコースタードラマは桂のオハコ、とにかくセックスから逃げずに映画の中心に据え続ける作劇は、馬鹿馬鹿しくもありつつ、人の性とは可笑しみなのだと感じさせる。

松永てるほは今は余り見ないタイプの顔だが美人で、太り肉のぬめる肌がいやらしく、設定では29歳だがもっと大人っぽい感じ。出演作はそんなに多くないのが勿体無い。渡辺とく子は安定のとく子さんでした。
西村昭五郎は原宿の景色が好きなのかな。怪優・坂本長利が全部持ってく映画ではあるが、本作でも分かりやすく画で語る西村昭五郎の手法があちこちで見られて興味深い。