アタフ

静かなる叫びのアタフのレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
3.9
ドゥニ・ウィルヌ―ヴ監督の長編映画としては3作目になるのかな?カナダのモントリオール理工科大学で実際に起きた銃乱射事件を元にしている映画。

銃乱射事件を元にした映画と言えばミヒャエル・ハネケの『71フラグメント』を個人的に思い浮かべました。『71フラグメンツ』では犯人の動機や心境などは全く描かれない恐ろしく淡々とした映画だったが、今作は犯人の動機ははっきりとしてる、それは女性への憎悪だ。
何故女性を憎んでいるかは語られないが、彼の異常なまでの憎悪は、教室にいる生徒を男性と女性で分け、女性だけを殺すという行動からも見て取れる。

このシーンや学校内で銃を乱射し生徒を殺しまくるシーンは緊張感が凄まじく、流石はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督である。『ボーダーライン』『メッセージ』『灼熱の魂』と今までの作品もどれもこれも緊張感の作り方が上手く、今作も例にもれずといった感じ。さらに全編モノクロで描かれているということも緊張感を高めている要因かもしれません。

話運びとして被害者の視点と犯人の視点と分かれて展開され時系列も前後するため、ここら辺が少しわかりにくかったかな。モノクロだからか人物の判断が付きにくかったところもある。

最近ラスベガスでの銃乱射事件があり銃社会の恐ろしさを知りましたが、やっぱり銃を簡単に入手できてしまうことがおかしいよね。
「銃を持っていなければ自衛ができない」という意見があるようだけど、じゃあラスベガスの事件の被害者やこの大学の生徒もみんな銃携帯していれば良かったってこと?そんなわけなだろ。
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