なつ子

スノーピアサーのなつ子のネタバレレビュー・内容・結末

スノーピアサー(2013年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます


録画していたものを今更。

暗視カメラの描写は映画として面白かったし、少年が火を手に走り出したところに謎の盛り上がりがあった。癖になる表現が散りばめられている。

列車の中に色々なセクションがある。学校があり、歯医者や、仕立て屋がある。植物を栽培したり、ここだけが世界で凍りつかない水、美しい魚たち。その横で食べる寿司。マジで何?水族館でデートした後にお寿司食べに行くみたいなちぐはぐさがある。

子供達と先生がジェスチャー付きでウィルフォードを崇拝する様が完全に不快感を煽る天才的な描写だった。子供たちの無邪気さから来る残酷さにどん引きしてる大人たちと同じ気持ちだった。

当然こういう状況になったら想像出来る所なのに、思いもよらなかったカニバリズムにまで話が及び(始めから体制が整った状態で列車がスタートしたと思っていた)、それがフラグ回収されたのは良く考えられてるなと感心してしまった。
なので、主人公はどんな形であれ肉体の一部を己の意思で欠落しなければならない業があるのだと理解したし、実際それが達成された時には美しいなという他言葉は無かった。

浅はかにもウィルフォードは子供が好きという言葉から、もっと最悪な理由で搾取されていると思っていたので、性的にだったらやだなぁ→(カニバリズムの話を踏まえて)もしかしてその焼いてるステーキ?→蓋を開けて足元の子供って感じで、己の想像の最悪さから幾分マシな状態だったのでは?などと思ってしまった。

容赦無く主要キャラクターが死んでいくのもストーリーも設定も、見ている中でわかりやすく自分の趣味を復習しているような作品だった。地上波だったからカットされてるだろうし、字幕で観直すとは思うけど、面白かった。

韓国の俳優に明るく無いので、ずっと綾野剛みたいな顔の人がなんか言ってるなぁという気持ちだった。
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