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世紀の光のKSatのレビュー・感想・評価

世紀の光(2006年製作の映画)
4.2
アピチャッポン大好き病院が舞台の映画。

田舎の病院と都会の病院。それぞれにおける人間模様を映しているのかと思いきや。

ここまで観ていて楽しい反復もなかなかない。映画撮影における切り返しと美術の関係性を逆手に取っている。坊さんと歯科医とか、面接のところとか、笑わずにはいられない。

と思いきや、途中、謎のオバサンが病院の地下で宴会始めたあたりから、「映画」じゃなくなっていく。
耳を澄ますとデヴィッド・リンチみたいなノイズ。人があまり話さなくなって、各個人のキャラクターは無意味なものとなってゆき、最後は、あ、やっぱりこの人、ビデオアートの人なんだな、となる。
だが、それがもう、ある種の開き直りが感じられ、潔い。拍手。
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