deenity

エンダーのゲームのdeenityのレビュー・感想・評価

エンダーのゲーム(2013年製作の映画)
3.5
しばらくはヤクザ映画ばかりでしたが、人から勧められて久しぶりに違うジャンルの映画だったので新鮮でした。
勝手な推測でチープなSFかと思いましたが、意外にもしっかりと楽しめる作りになっていました。それでいて子ども向けのようで意外と大人でも考えさせられる部分はあり、なかなか面白かったと思います。

数年前、地球は宇宙からの侵略により辛くも勝利をあげ、それ以降いつ攻めてくるかもわからない地球外からの侵略を恐れ、対策組織に力を入れて入れていた…的なあらすじ。
この冒頭のシーンは『インデペンデンス・デイ』へのリスペクトを感じましたし、人選がハリソン、フォードって某世界的大ヒットシリーズからだよな、とか考えると、SF好きからするとウハウハなのかもしれないと、ちょっと期待を膨らませたわけですが、本作の大
半は対策のためのシミュレーションが主なので、実際の宇宙人との死闘とかの緊張感って部分では欠けるかなと。

ただ、その一方でエンダーというリーダーになるべき逸材がいかにしてチームを率いていくか、という人間模様。あるいは成長譚としての見所がある作品かと思いました。
過去の血の繋がりを払拭し、他を思いやる心を伸ばしていくエンダーの姿は自然と応援したくなりますし、そういう点では十分面白かったと思います。

ただ、の後はネタバレにもなりますが、終盤のラストシミュレーションのくだりですね。まあそんな雰囲気は醸し出していましたが、それにしても人間の、特に司令官たちのやり方はあまりにも酷ですよね。シミュレーションだから、と考えたからやった、という設定は今後現実的にあり得るとも思いますし、ゲーム感覚で命の重みを捉える心ってますます助長されていくんじゃないかなって思います。
そういうメッセージ性で捉えれば本作は魅力的なんですけど、やはりSFとしての緊張感の弱さってのは正直物足りなさを感じてしまいましたね。だって、ラストのラストまで現実の闘い感がなかったわけですし、SFとして見るのではなく、SFを題材としたヒューマンドラマとかを見る感覚の方が近しいのかもしれませんね。
deenity

deenity