いかにもオゾンらしい、上品な悪趣味さが満喫出来る作品。
今回は覗き趣味。
直接覗くのではなく、生徒の手記を通しての覗きという、二重の意味での覗き。
設定からしてちょっと一筋縄ではいかないのが素晴らしい。
冒頭の真っ白な何もないピロティーで待つ1人だけの主人公が映った瞬間から、
ああ、この作品はとても良いに違いないと確信できた。
そしてやはりその通りだった。
安定した綺麗な構図と色遣いの映像美、
またしても双子ネタ、
現実とプロットの境目が曖昧になる脚本と演出、特にプロットの中に先生まで入り込んで会話してる演出とかメタ的でシュールかつ上手い!
ここから少しネタバレ。
注意です!
最後の幕が〇〇する演出や、
その前の2人だけのシーンの横顔を並べて撮るとこなんて、1人の男の子供時代と中年時代を並べてるようで、双子と同じように相似関係を匂わせてる。
若き日に書いた本をあげるとこからもそうだろう。
若き自分を若者に投影している中年である自分。
なのでそこの場面ではわざと眼鏡を初めて?外させている。
予想してたオチは、全て生徒の想像の世界で、先生は完全に悪魔的な生徒に操られていて騙されていたというものかと思ってたのだが。。
何故妻が出て行ったのかは少し謎。
生徒が学校〇〇するのも少し謎。
オゾン的な、上質で上品な悪趣味なサスペンスを楽しめました。
あ、劇伴は素晴らしかったです!