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42〜世界を変えた男〜のスクリーンのレビュー・感想・評価

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)
3.5
1900年以降にアフリカ系アメリカ人として、
初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンの半生を
描いた作品。
ジャッキーは幼い頃から運動神経が良く、兄はベルリンオリンピック
200mの銀メダリストだそうです。
フット・ボール、バスケットボール、野球、陸上と4つのスポーツで
奨学金を獲得し、高校へ進学。UCLAへ進学した。
まさにスポーツの才能に恵まれた人だったんですね。
(超羨ましいです。(笑))
でも、そんな才能に恵まれたジャッキーさえも
黒人差別の壁を乗り越えることは大変だったようです。

ブルックリン・ドジャースの会長ブランチ・リッキーの
誘いで入団することになった時の、世間の反応たるや
凄まじい反対運動、抗議の嵐。味方のチームの選手でさえ
一緒にプレーしたくないと猛抗議。
同じシャワー室は使いたくないと、
一緒にシャワーも浴びることもできない状態に。

何も黒人だと言うだけで、そんなに過激に反応し差別しなくてもと思いますが、それがアメリカなんですね。
南アフリカのアパルトヘイト以上の差別が公然と行われてきた
状況がリアルに迫ってきます。様々な映画でも描かれてきたように
今でこそバスケットボールは黒人選手が多いですが、
全く黒人選手は試合の出して貰えなかった。
また、音楽シーンでも、黒人専用のラジオ局でしか流してもらえなかった等々あらゆる差別が行われてきた。
そして、未だに黒人を含め有色人種への差別は続いていますよね。
何故なのか?といつも思います。

ブランチの「やり返さない勇気を持つ」と言う言葉どおり
どんなに嫌がらせや妨害にあっても、紳士でいたジャッキーは
素晴らしい精神の持ち主だと思います。
次第にジャッキーの人柄も分かってきて、受け入れられていく過程が
丁寧に描かれていると思います。
最後には同じシャワー室で一緒にシャワーを浴びることが出来た
シーンは仲間として絆ができたことの象徴ですね。

チャドウィック・ボーズマンも抑えた演技でジャッキーを演じていて
好感が持てました。
「ブラック・パンサー」の堂々した演技とはまた違った演技を
観ることができて良かったです。
彼の死は、本当に驚ショックでした。
奥さんとの絆もしっかり描かれていて、一人ではなかなか
やり遂げられなかったのではと思います。

ただ、映画的に見ると、少し盛り上がりが無かったような気がします。
実話ベースなのでこれでいいのだと思いますが、
もう少し掘り下げて欲しかったように思います。

因みに、映画とは関係がありませんが、ジャッキーの背番号42は
ジャッキーのメジャーデビュー50年目に当たる1997年4月15日
全球団永久欠番となったそうです。
2004年4月15日MLBは「ジャッキー・ロビンソンデー」を制定
2007年には希望する全選手が背番号42のユニフォームを着用し、
2009年からは全選手が着用するようになったそうです。
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