このレビューはネタバレを含みます
アカデミー賞で特殊効果賞を受賞したとのニュースで
俄然興味が湧いてきました。
なかなかハイウッドでこの賞で認められないと思っていたので。
それと、時代設定が戦後間もない頃の設定になっていると知り
何故？焦土と化したボロボロの日本なのか？
また、そんな何も無い日本人がどうゴジラに立ち向かうのか？
ますます興味が湧いてきました。
様々な人達が登場します。
特攻隊から逃げてきて、生き残った罪悪感に苦しむ敷島、
焼け野原の東京で赤ん坊を抱えて生きている典子、
戦争中海軍で兵器の開発に携わった野田、
海軍航空隊の整備士をしていた橘、
終戦がきて戦争に行けなかったと悔しがる水島、
水島に戦争に行けなかったことは幸せと諭す、
ゴジラ退治の為の新生丸の船長秋津、
3人の子供を亡くして、復員してきた敷島を
「おまえら兵隊が頼りないから、子供は死んだ」と
なじる隣人太田。等々
みんな戦争で心に大きな傷を負った人達ばかり。
家も無くなり、がれきの山と化した東京の街並みが
見事に再現されていました。
それでも、何とか生きていこうと、復興しかけた日本に
とんでない怪物ゴジラが出現、東京を襲う。
戦争さえなければゴジラは生まれなかったのでは？
核兵器が造られなければ。
監督の反戦のメッセージを感じます。
野田さんの「死ぬ為の戦いではないんです。今度に戦争は
未来を生きる為の戦いなんです。」等々
全編に反戦のメッセージが流れています。
命を粗末にしてきた政府への痛烈な批判が現れています。
凄く気になっていることが3つあります。
ゴジラがまるで原爆のような熱線を出して銀座を焼き払うシーンで
熱線の後に、黒い雨が降ってきます。
あの雨は、放射能を含んでいるのでは？
あの雨を浴びた敷島はどうなるのか？
また、助かった典子の首筋の黒い痣のような物は何なのか？
ゴジラが沈んでいくときに、みんなが敬礼をしているけれど
誰に対する敬礼なのか？
色々な疑問が残りましたが、ＶＦＸが素晴らしく
低予算で創られたそうですが、高額の予算のハリウッドにも
引けを取らないと思います。
久々に怖いと思うゴジラに会いました。
迫力あるシーンに没入してしまいました。
是非、劇中で観て欲しいですね。
俳優さんも、本当は何も無いスクリーンの前で緊迫感溢れる
演技は難しかったのではないかと思いますが、
画像との違和感なく演じられていて、さすがプロですね。
反戦のメッセージとか、時代背景と考えることもいいと思いますが、
難しく考えるより、エンタメ作品としての面白さ十分なので
素直に楽しめ映画だと思います。
