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42〜世界を変えた男〜のkanegoneのレビュー・感想・評価

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)
4.2
すごく丁寧に撮られた映画です。
レビューちょっと長いので、野球好きの方、興味の持てそうな方だけご覧ください。

黒人初のメジャーリーガーが差別と迫害、逆境を乗り越えて活躍する物語ですが、主人公ジャッキーロビンソンを抜擢した支配人役がハリソンフォードでして、彼の演技、セリフ、剥き出しの感情が胸に響きます。

決め台詞がいくつもあるのですが、まだの方は是非作中で味わってみてください。
特に大谷くんファンの皆様には、きっと心に響く場面やセリフが多数あると思います。

誰がなんと言おうと、結果で見返すしかない。ジャッキーロビンソンならずとも、野茂さんもイチローもダルビッシュも、程度の差こそあれ、みんな同じ想いで戦ってきたんじゃないかと思います。

4月、メジャーリーグにはジャッキーロビンソンデーがありますが、大谷翔平ファンでメジャーリーグの試合を見ている方には、ある程度お馴染みの光景になっているかもしれません。
その偉大さを改めて知り、感じることができたという意味でもこの映画は見応えがありました。

私も大谷くんが大好きで、試合も各報道も追っかけて見てますが、何が何でも活躍して居場所を自らつくるんだ、歴史をつくるんだという気概のようなものはジャッキーロビンソンにさえ通じるところがあると感じます。

そんな彼がいま、背番号42と同じドジャースにいて、歴史をさらに塗り替えようとしているという事実に、なんとも胸が熱くなります。

今日、エンゼルスとのオープン戦でトラウトとの熱い抱擁を交わした場面、これも映画的で感動してしまいました。

その流れでこの映画を見ると、ジャッキーロビンソンという歴史的な選手と、アジア人として新たな地平を切り拓く大谷翔平の姿、勇気、輝かしい功績が、いくぶん重なって感じられます。

もちろん、大谷くんはこれほどに迫害されたわけではないし、こんなに激しい逆風の中を進んでいるわけでもないのですが、活躍しなければ明日はないというシビアな世界で、誰よりも黙々と準備をして、幾多の困難を乗り越え活躍して、立場を築いてきたのです。それは、他の誰も真似ができないほどに。

つい先日、ダルビッシュがテレビのインタビューで、メジャーに来た当初の日本人の軽んじられ方、その中で活躍することの苦労について熱心に語ってましたが、実績を打ち出せるまではやっぱり蔑視もあるし、苦労があるんだと思います。

そういった背景、野茂さんやイチロー、ゴジラ松井が切り拓いてきた茨の道とその後の栄光について知ったり、この映画のような偉大な先人の苦難を見知ると、メジャーリーグを見る楽しみや味わいがまた増えると思います。

大谷翔平ファンの方、ぜひ機会がありましたら、一度ご覧いただければと思います。
グリーンブックが好きな方にもオススメ。
勇気あるアスリートの活躍に感じるものが多い方には特にオススメしたい作品です。
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