いろいろ絶妙でした。
キャスティング、役者の演技、よくできたストーリー。音楽がやけに印象的だと思ったら、細野晴臣じゃないですか。
演出もよかったと思うし。リリーフランキーの味が程よく出てて、暗く重いだけじゃなく、全体に上手くバランスされていたと思います。
でも、個人的になにより絶妙だと思ったのは、編集です。
この映画で描かれている機微のようなものを表現するには、これくらいの時間が必要だったんだと感じました。たびたび挟まれる闇と無音も、内容に合っていたと思います。
長くて静かな映画なので、つい眠くなるところが困りますが、私は、見応えがあって、印象的なセリフもあって、味わい深い映画だと感じました。
内容は、何を書いてもネタバレになると思うので書きませんが、まっさらで観ることを勧めたい映画です。
アンダーカレント、底流。
表面には映らないけど、奥深いところにはたしかに存在している何か。
人それぞれ抱えるものがあって、生きていく上で必ずいつか、誰しもが感じる気持ち。そういう何かに触れられる映画だと思います。
静かで、穏やかで、でも鋭い映画を求めている人におすすめしたいです。
かなりゆったりと時間を使っている映画なので、劇場で観ないと、スマホいじったり「ながら見」になるかもしれませんが。
