フランスの片田舎でレストランを営んでいた女性が、大統領官邸の史上初の女性料理人として、素朴な料理を求めるミッテラン大統領のために料理を作る、実話をもとにした作品。
大統領専属料理人を辞任した後の南極基地スタッフとしての物語と交互に語られ、素朴なフランス料理の数々の美味しそうさはもちろんのこと、大統領官邸における人間関係にも焦点があてられた作品でした。当時（1980年代がモデル）、まだまだ男性社会だった官邸の厨房での挫折と大統領からの信頼と、南極基地での仲間たちとの交流が、よい対比になって演出されています。多くは語られませんが、雰囲気で語られるのがフランス映画らしいです。むしろ南極基地でのシーンがもう少し見たかったかな？
実話がもとなこともあり、特別大きな展開があるわけではありませんが、主人公の心情の変化に思いをはせるような、そんな映画でした。
