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大統領の料理人のPikKaのレビュー・感想・評価

大統領の料理人(2012年製作の映画)
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まだ男ばかりの社会の中、有名料理人からの推薦によってフランス大統領のプライベートルームの専属料理人となったオルタンス(カトリーヌ・フロ)の奮闘と、宮廷で働く人々や大統領との交流を描いたフランス映画。
実話を基にしたもので派手な演出などはなくドキュメンタリーのようにシンプルに淡々と描いたものだからこそ、普段見ることのない世界を少しでもリアルに感じられて面白い。

相手が誰であろうと怖気づくことなく言うべきことはしっかり言うし、料理や食に対する情熱は人一倍強く、妥協せず最高のものを提供したいというオルタンスが最高にかっこいい。

毅然とした態度で働くオルタンスに、毎日のように無礼で屈辱的な言葉や態度を浴びせる男性料理人たちが憎たらしい。
だけど僅かながらもオルタンスのことを分かって支えてくれる人たちもいるのが救い。

オルタンスが選ばれた理由に、彼女が手掛けるものが田舎の家庭料理だったからこそのエピソードも心があたたかくなる。
多忙を極める大統領が職務や立場を離れ、
ひとりの人間として心安らげる瞬間に寄り添える料理の素朴なあたたかさ。

劇中に出てくる料理もどれも美味しそうで実際に食べたくなる。
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