ニトー

NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲームのニトーのレビュー・感想・評価

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イマ~い(死語)。

こっちよりも同じ監督の作品である「catfish」の方が気になったりするんですけど、まあそれはさておき。

この時期の映画って狙ったようにPC画面をフィーチャーした作品が多い気がするんですけど、何故。それとは別に青い鯨の事件とほぼ同時期なのもシンクロニシティでかなり興味深い。
ただ青いクジラは日本ではあまり取りざたされることはなかったような気ガス。

タイトルからてっきり電脳世界ものかと思ったんですけど、別にそういうことはなかった。いや確かにネットの世界は関係あるけど、全然「いま」の話でした。

とはいえ、やっぱりネットの世界を異界的に表現したいという思惑はあるようで、ヴィーが初めてゲームをスタートするときのファミレス?の色彩設計はネオンサインがビンビンで現実感を剥奪しに来ていますし、ことほどさように(現実の友人などが絡まない)ゲームのトライ中はそうやって地に足を着いてないように見せてくる。イアンのバイクから青い光が放たれていたりするし。

バイクのチャレンジ中に流れるBGMが「トロン/レガシー」ぽいのは笑いましたけど、なんだか全体的に音楽や編集の方法がポップでまるでコマーシャルみたいなんですよね。そういう、観客を傍観者にするような、現実感を希薄にするような撮り方をしているのはある。

個人的には中盤のシドニーとの小競り合いをメインにキャットファイトを展開してくれた方が、より観客の傍観者としての愉悦を楽しむことができたような気がします。

終盤にかけての展開は正直「あぁ、そっちですか」という方向に進んでいっておバカすぎるスーパーハッカ―な描写で一気におバカ度が上昇してしまうあたりは流石にどうなのかと思ったり、どれだけ群集心理が作用していたってあのオン/オフはカリカチュアしすぎでは。伊坂幸太郎の「魔王」の方が納得できまな。

ていうかそれができるなら「最初からやれ」という話であって。
いや、ナード君はあくまでヴィーに好意を寄せていただけでナーヴなんてどうでもいい、というスタンスであったという風に読み取れるし、それはこの映画で描かれる傍観者のスタンスとして当てはまるんだけれども。

ていうか君、ぼろ負けしたままハッピーエンドに仕立て上げられてるけどいいのか。ナーヴ壊滅の指揮を取った英雄であるナードくんが徹底的に無視される、というのはメタ的に観ればこの作品のテーマとかすっているとは思いますけど、あれは単に作り手のネグレクトなだけでぃわ・・・。
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