このレビューはネタバレを含みます
『ダイハード２』や『クリフハンガー』など９０年代のド派手な映画を牽引したレニー・ハーリンによる、スター俳優不在のPOV作品。
POVも幽霊ものに端を発して、バイオレンス系や、怪獣もの、超能力もの、『プロジェクトX』のコメディまで、（恋愛もの以外）ほぼ全ジャンルを横断した作品作りがされている。もはや飽和状態の中にあっても、さすがに第一線で活躍したレニー・ハーリンだけにヒネリの利いた題材選びをしている。
実際に起こったロシアのディアトロフ峠事件を題材に「フィラデルフィア実験」ネタを投入し、新しい解釈のサスクワッチ：雪男伝説を作り上げている。
序盤はいかにも「よくある」ネタで固めていき終盤で一気に飛躍する展開は見事。
『マイティ・ソー ダーク・ワールド』に先立った時空の歪み設定に、歪みを通過することで変異する肉体、永遠の輪に閉じ込められる恐怖を加え、素晴らしい娯楽作品に仕上げている。
