あーや

恋人たちは濡れたのあーやのレビュー・感想・評価

恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)
4.6
「車+男2人+女1人」方式の映画です。こちらも神代監督の作品なのですが、なんともまぁ瑞々しくて美しい作品でした。
ある港町に流れ着いた若者ひとり。彼は街の人から知りもしない他人に間違われ続け、早々に嫌気がさしてその街を出ることを決める。
そんな中、無理やり彼についてきた1組のカップル。
その彼女もまた彼を誰かと間違えて、彼の名前ではない名前を彼に向かって呼び続ける。
観客も彼の素性がわからないまま見続ける。彼がどこから来てどこに行こうとしていたのかもはっきりしないまま、最後の衝撃で物語は突然終わる。彼は彼女を道連れに海へ帰っていったのでしょうか。濡れたのはこの2人だったのね。
夕日でキラキラ光っている海が自転車でくるくる回る2人を引き立てるように静かでとても綺麗でした。
藪の中でのセックスをただ見つめるシーンや、途中3人で馬跳びをするシーンも好きでした。というより気になるシーンばかりでうっとり観ていました。音楽も神代監督らしく相変わらずのこだわりっぷりで、中川理恵がアコースティックギター1本でしっとりと歌いあげる「好きになった人」も上手かった。
連日ポルノを観まくっている合間に、興奮する気持ちをふと宥めてくれた映画でした。「悶絶!どんでん返し」と同じ人が撮ったとは信じられません。
ただひとつ。途中欲情してきた女の子がね、ちょっとね・・酷い出来でしたね。。女の子というより頗る発情してきた小熊。強姦しかけた後、土まみれになったお尻の強烈なドアップには思わず苦笑いしてしまいました。
あーや

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