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渇き。のJINのレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
4.0
賛否両論あるみたいやけど、個人的にはそれなりに楽しめた。
音楽のチョイスといい、過激なバイオレンスといい、中島哲也監督は今回タランティーノチックなことでもしたかったんだろうか?
とにかく役所広司のクズ男っぷりがハンパなくて、終始不機嫌な役だったため観てるこっち側までイライラさせられっぱなしで全然落ち着かなかった。
不器用で本当は心の弱い男なんやろうけど、そんな身から出たサビ的なことで同情の余地もなく、愛すべき要素がないから疲れる。

女には稀に絶対に関わってはいけない特殊なタイプが存在する。
小松菜奈演じる加奈子はそんな女。
この娘の行動が理解不能なので、一体何を考えてるんだ、こいつは?っていう好奇心で最後まで観れる。
また自分の娘が何者なのかサッパリわからない親っていうのも興味深く観れた。
出てくるのはクズだらけやけど、みんなクセがあって面白かった。
キャストで観れる部分もけっこうあって、意外にも妻夫木聡が印象的。

音楽の使い方も中島哲也監督らしくて、『告白』では主題歌にRadiohead、劇中歌にAKB48を使ったりしてたけど、この作品ではでんぱ組inc.やTrippple Nippplesやdaokoを劇中歌に使ったりしてた。
エンディングはDean Martinやしね。

とにかくやさぐれた狂気とバイオレンスの映画やった。
肝心なことがこちらの想像に委ねられてるような部分もあり、何かスッキリしないのも確か。
感情移入のしどころは最初から最後まで無い(笑)
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