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マラヴィータののらのレビュー・感想・評価

マラヴィータ(2013年製作の映画)
2.5
証人保護プログラムでフランスのノルマンディーに移住してきた元マフィアのブレイク一家が、最終的に大暴れするコメディー映画で、元マフィアの主人公をロバート・デ・ニーロが演じる。

元マフィア役のロバート・デ・ニーロのコメディー映画としてはアナライズ・ミーが既にあり、ネタとしての鮮度は落ちているが、代わりにデ・ニーロの家族の暴れっぷりが面白い。

引っ越し早々近所に遺体を埋めるデ・ニーロに始まり、買い物で入った商店で嫌味を言われたので、さらっとガス爆発による事故に見せかけて商店を吹き飛ばす妻。キュートで小悪魔な長女は武闘派だし、長男は学校の裏取り引きを牛耳るやり手と個性に溢れているし。そんな家族をまとめ街に溶け込もうと努力するも出来ないデ・ニーロといった具合におかしな一家の騒動コメディとしては面白い。

しかし問題はラストでデ・ニーロに恨みを持っているマフィアが放った殺し屋軍団押し寄せる展開で、アクション自体はリュック・ベッソンお得意の流で悪くないのだが、そこまでの家族の振り切れ具合からすると物足りなさを感じる。またそれまでの主人公たち一家と街とのかかわり合いが反映されるような展開もあまり無く盛り上がりに欠ける。

全体的に言って映画自体のテンポやアクションのテンポに加えてコメディとしても楽しめるし、デ・ニーロ演じる主人公がグッド・フェローズについて評論するという展開も面白い。しかしいつものヨーロッパ・コープの映画の枠組みから出ていないのも事実で、デ・ニーロにミシェル・ファイファーにトミー・リー・ジョーンズとこれだけの役者陣を揃えたにしては小さくまとまった映画になっている。
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