しゅん

泣き濡れた春の女よのしゅんのレビュー・感想・評価

泣き濡れた春の女よ(1933年製作の映画)
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陰影が深く、固定カメラでカット多めにつなぐ、今まで観たことないタイプの清水宏。とはいえ、子供の声や汽笛の音を初トーキーながら巧みに使っていて、その後の児童映画へ繋がるものを思わせる。上半身を壁で隠して、間を雪の激しい落下でつなぐ喧嘩シーンのモンタージュも奥ゆかしいが、特に良いのは窓の外の煙突とつららが奥行きの中で同型を示す映像の反復。その窓が落石の悲劇のシーンでだけ外側から映されてるという反転の演出に、死の重みが託される。
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