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イカボード先生のこわい森の夜/イカボードとトード氏のRenのレビュー・感想・評価

3.0
ディズニーが生み出してしまった問題作。初期作品お馴染みの、中編2本がくっついた形式の長編作品になっているので、以下それぞれの雑感です。

『たのしい川べ』
浪費家のカエル・トード氏がある車に魅せられ、屋敷と引き換えに手に入れたものの、彼は窃盗の罪を着せられ裁判にかけられる....。ディズニーでも稀にみるクズが主人公です。そんなトード氏に半ば呆れながらも、彼の無実のために奮闘する友人2人が健気すぎて泣けてきます。泣ける作品では全くありません。ラストはわちゃわちゃ楽しい展開になるのでそこは純粋に観ていて面白かったです。このトード氏が完全に依存症。更生しないヤバい奴を登場させたのは中々チャレンジしてるなあと思います。

『スリーピー・ホローの伝説』
イカボードが資産家の娘・カトリーナと恋に落ち、村のリーダー的な男と取り合いを始める....。正直どこがそんなに魅力的なのか分からないイカボードが沢山の女性をたらし込む描写に困惑してしまいました。若干コメディ風な前半に、首なし騎士の話を差し込み不穏な影を持たせる微妙な不気味さの演出が冴えてました。問題はラスト5分、子どもが観たらトラウマ間違い無しのホラーに豹変して、これディズニーがやるのかと度肝を抜かれました。しっかりバッドエンド。変化球ではなく直球で勝負していて潔かったです。

明らかに子ども向けではない上に、ただ2本の中編をくっつけただけであまり統一感が無く、万人には勧められないかなという印象です。ちなみにこの次に公開された長編が『シンデレラ』でした。
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