饂飩粉

レッド・ファミリーの饂飩粉のレビュー・感想・評価

レッド・ファミリー(2013年製作の映画)
3.0
 劇中で登場人物が観に行く映画『プンサンケ』と同様に、朝鮮の南北問題を取り扱った映画。
 今回は北朝鮮から南に送り込まれたスパイ一家が主人公。もちろん本物の家族ではなく、外では仲のいい家族を演じているだけである。家の中に入った途端「○○同志!」と呼び方まで変わる。おまけに身分も変わる。この豹変っぷりが奇妙な笑いを呼ぶ。
 彼らスパイ一家のお隣さんは、微妙に家族間の仲がこじれている一般人。最初はそれを「資本主義の限界」などと馬鹿にしていたものの、上辺だけの交流をとっていくうちにスパイ達はそれぞれ祖国で人質にとられている家族のことを思いだしてノスタルジックになり、感傷的になり、スパイとしてはヤバい状況に陥っていく……というのがストーリー。

 全体的にコメディタッチで進んでいく中で、突然スパイとしての血生臭いシーン(グロくはない)が挿入されたり、急にシリアスな展開に入ったりと落ち着かない。場面の切り替えや雰囲気の変え方が強引な印象を受けた。
 面白い話なんだけど、最後まで「え、今シリアスなシーン? コメディ?」という混乱が抜けず肝心のクライマックスが薄味に感じてしまった。
 もう俺が覚えているのはスパイ一家の一人娘役の女優がうら若き乙女なのに巨乳だったということだけだ。
 野暮ったいセーター、イイネ!
饂飩粉

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