バナバナ

それでも夜は明けるのバナバナのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.0
南北戦争が始まる20年前の実話だそう。
北部に暮らしている自由黒人は、白人と変わらないきれいな服を着ていて、夫が拉致されても標準レベルで生活できていたみたいだから、南部と北部じゃ、当時は本当に天国と地獄だったんだね。

最初に売られたカンバーパッチの所は、材木業の他にキリスト教の牧師をしていて優しそうだったが、
ソロモンが首をギリギリのところで吊られていても、その奥様はガン無視の非情ぶり。
農場の他の黒人も、その姿が見えているのに助けてくれない。
やはり、白人に逆らうとこうなるぞ、という見せしめだから、同胞も誰も助けられないんだね。

意外だったのは、法的な正妻ではないのだろうが、南部でも、黒人奴隷でも“妻”の座を射止めたら、他の奴隷を従えて、優雅にお茶をする身分になった人も居た、という事。
おそらくあそこの家は、たまたま白人の正妻が亡くなったか、居なかったから出来たのだろうな。
同じ妾でも、主人が荒くれ者だと、子供が出来てもやはり奴隷の扱いのままの人もいるし、本当に運次第。
(アメリカの第三代大統領トーマス・ジェファーソンは、黒人の血が1/4の美しい奴隷の女性を妾にして、自分との間の子は奴隷として売っぱらっていましたね)

北部のソロモンの友人の人、白人でも、12年経っていても、迎えに来てくれた人が居たという事にビックリ!
本当に、北と南では別の国くらい、価値観が違うのね。

北部に帰ったソロモンは、テロップでは南部から奴隷が脱出する手助けをしていたそうだけど、彼の最後は“消息不明”となっていましたね。
彼はこの映画の原作も世に出したことだし、南部の人間に消されてしまった…という事なのでしょうか…。

この映画では、人間性を完全に無視された奴隷の生活が描かれていましたが、当時の南部の日常として、自然に見せていました。
しかし、後半でブラピがとっても良い人で登場してきて、彼だけが、むっちゃ正論ばっかり吐くので(南部に居るのに、大っぴらに)、かなり浮いていたのが残念でした。
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